Bert Jansch - Rosemary Lane (1971)
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1960年代、三大ギタリストと呼ばれるクラプトン、ベック、ペイジやストーンズの面々など多くの英国ギタリスト達がこぞって夢中になった音楽がアメリカ本場の黒人ブルースや英国内ではスキッフルと呼ばれる音楽だったことは有名で、ほとんどのギター少年はいずれかに夢中になってギターを一日中弾きまくっていたと云う。ジミー・ペイジも同様だが彼の面白いトコロはそれ以前にエルビス・プレスリーにも夢中で、その時はスコッティ・ムーアに大層興味を抱き、そのフレーズをコピーしたらしいが、その後、皆が皆ブルースにどっぷりとハマる最中、一方では英国伝承音楽をギターで弾き語るバート・ヤンシュに出会い、後のペイジのギタースタイルに大きな影響を及ぼした。
バート・ヤンシュは1965年にデビューした英国フォーク伝承音楽を奏でるギタリストで当時は時代的にもボブ・ディランの対抗馬的に語られていたが、どちらも自国の伝承音楽に敬意を払い音楽を演奏していた点は共通だろう。その武器がフォークギターだった点も似通っているが、やっていることには大きな隔たりがあり、バート・ヤンシュの奏でる素朴なサウンドは1966年リリースの三枚目の作品「Jack Orion」で後のペイジが偉大なるパクりを作る「Blackwaterside」(=Zepでは「Black Mountain Side」)を収録して有名だが、このアルバムは既にジョン・レンボーンを迎えて二作目の作品で、トラッドフォーク寄りの作風となったインストのギター曲が実に美しい。その後1967年には英国トラッドフォーク界の名バンドとなるペンタングルを結成し、多様なサウンドに占められたアルバムを発表していくが、この時期以降、ソロイストで活躍する名作は「Rosemary Lane」 が挙げられる。この作品での楽曲群はフォークの概念を取り払ってくれる優雅で崇高、高貴な英国的気風を持ったアルバムでジャケットの美しさと共に好きな作品。
キャリアが長いのでアルバム数は多いが、取り急ぎこの「Rosemary Lane」 とベスト盤で良い気もするが、日本にはマニアが存在してて、紙ジャケで初期の作品全てがリリースされているから驚くばかり。

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