Tudor Lodge - Tudor Lodge (1970):
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英国音楽探求の旅に出ると最初の方で出逢う名盤がいくつかあり、入る人それぞれに道は異なるが、多くの人はこのバンドに早いウチに出会うと思う。Tudor Lodge、Mellowcandle、Spirogyraと三美神による心洗われるほどに美しく落ち着いた雰囲気を堪能できる英国サウンドもそうそう見つからないし、素朴な音で聴く者を和ませるVashti Bunyanもあるけどこういう素朴で美しい音を聴くには心地良い。
1971年リリースのちょっと前までは唯一のアルバムとして名高く、そして非常にレアな貴重盤として永い間知れ渡っていたアルバムで、理由は詰め込まれた素朴なサウンドの美しさもあるが、ヴァーティゴレーベルの6面開き変形ジャケットによるリリースも大きい。よってオリジナル盤はかなりの覚悟が必要なお値段で出回って何回か見かけたけど目が飛び出るくらいだが、自分は90年代のCD再発シリーズで入手したので聴くのはラクだったから良かった。6面開きアナログ200g盤で再度リリースされていたりもするが、CDの紙ジャケだけでは飽き足らないと見える面もあり、そんな伝説ばかりが先走るので英国好きになってからは大体の人が早めに通る作品。
中身は三人によるフォークバンドなので派手さを期待してはいけないし、サイケさもないし、言われるようなアシッドフォークでもなく、本当にフォークサウンドで、そこに細々とした小技の効いた楽器の音色が被さるもので、美神と言われるものの男性が歌う曲も多く、女性の歌だけで彩られているメロウキャンドルとは大きく異なる。トレイダー・ホーンに近いけど、あそこまでではなく、クリムゾンの小曲がフォークで形作られている雰囲気。1990年代末になってすっかりおじさんとおばさんになった元メンバー二人によるセカンドアルバム「It All Comes Back」がリリースされているが一般的なファンはこれを認めるかどうか知らないが、基本的に変わらない音楽性だから凄い。

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