2022-12-16

Catherine Howe - What a Beautiful Place (1971):

0 Comments

　もう30年以上前から英国ロックとフォーク周辺漁りを始めたが、様々な情報を辿り、そんなのあるのか、こんなんあるのか、一体どこで見つかるのか、と思いながらアルバムジャケットとアーティストを覚えてはレコード屋に漁りに行き、挙句は中古レコード屋でバイトして更にディープな世界を覗き見たりレア盤も現物を見て納得した。思い出してみれば珍しいアルバムにも接する機会があり、更に買い出しにも出かけるからアルバムは揃ったりが、今回登場のキャサリン・ハウの「ホワット・ア・ビューティフル・プレイス」は見なかった。ネットを徘徊すると5～6万で見たとか25万くらいで見たと、それぞれの時代によって値段が変わるのは当たり前だけど、自分はジャケットすらアナログで見たことがないものの、このアルバムの存在を知ったのは90年代半ば頃だったが、そればかりを探してなかったしフォーク専門でもなかったからかな。

　1971年にリリースされた英国出身のキャサリン・ハウによる「ホワット・ア・ビューティフル・プレイス」は何と言ってもこのジャケットで、今回ネットで見て初めて別ジャケットのCDが出ている事も知ったが、イメージが随分と異なる顔ジャケだが何となく謎のままの湖に後ろ姿だけが見える女の子の方が良かったと思う。顔は見ない方がイメージ膨らむから。美人だけど、目付きからはちょっとトンがった娼婦チックな印象すらあるから森の中の湖に立つスカートの女の子のイメージではないのはリスナーの勝手な思い。

　この「ホワット・ア・ビューティフル・プレイス」が唯一無二かと思っていたら驚く事に1975年にセカンド、76年にサードアルバムをリリースしているが、恐らく大きく路線が変わっている気がする。「ホワット・ア・ビューティフル・プレイス」はCD時代になってようやく聴いたアルバムだが、音が鳴った瞬間から一気に世界に惹き込まれ、素晴らしく独特の柔らかい質感の包容力を持った歌声と曲調で、全てを忘れ去ってこのまま抱かれていたいと思う優しいアルバム。これはマニア間で幻の名盤と言われるハズだがジャケットだけでなく、内容がこんなに素晴らしいと普通思わない。そういう意味ではメロウキャンドルやバシュティ・バニアンも近かったが「ホワット・ア・ビューティフル・プレイス」はもしかしたら自分の中でその位置がトップになるくらいの包容力を持ったアルバムで多分トロけてしまう作品。結局英国女性歌物フォーク好きな人が求めているものが「萌え」だろうと妙な共通項に気づいてしまったが、とにかくタイトル通りに「ホワット・ア・ビューティフル・プレイス」なアルバムで良いものに出会えた。