Maddy Prior & June Tabor - Silly Sisters (1976):
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英国の伝承音楽を歌う女性がここまで多いのは割と不思議で、日本で言えば民謡歌手がメジャーのフィールドに出てくるようなものだが、沖縄民謡や島唄をアレンジして出てくるのは何年かに一度くらいだろう。英国のトラッドをアレンジした曲もメジャーなフィールドではないかもしれないけど、それでも遠い島国の日本にこれだけ情報が入ってくるのは知られている証で、その辺の感覚はまたマニアックに違う部分があるか。
1976年にリリースされた「Silly Sisters」で、当時は既に知名度も実力も知れ渡っていたスティーライ・スパンのマディ・プライアが、ほぼ無名だった女性シンガー、ジューン・テイバーとトラディショナルを歌い上げており、二人の活動はシリー・シスターズと名付けられ1988年に二枚目「No More to the Dance」をリリースしている。
英国のトラディショナルな曲とアイルランドのトラッドが同時に存在している珍しいアルバムで、この後では英国とアイルランドは割と分けられているが、この辺はアシュレー・ハッチングスの偏執的なまでの英国のこだわりがその元祖を探求して起源を明確にしている。確かにケルティックな旋律の曲もあるけど、二人で恐ろしい歌詞を歌い上げる旋律もあるので、英国側のトラッドだろうか、全体的に全然ソフトなアルバムではなく、その筋ではメジャーなマーティン・カーシーやニック・ジョーンズやダニー・トンプソンも参加しているマディ・プライアの歌が硬質な印象。相対するジューン・テイバーもソフトな歌声ではないから冷たい感じはあるが、音は確かにトラッドフォークを垣間見れる素晴らしい出来映え。
ジューン・テイバーはこの年に自身のソロアルバムをリリースしてデビューと、以降コンスタントにアルバムを出し続けているので、実力のある女性だったが今はもう重鎮扱いの歌姫。

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