Steeleye Span - Ten Man Mop Or Mr. Reservoir Butler Rides Again (1971):

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 伝承音楽はどうやって伝承されてきたのかと考えると、果たして誰がいつ頃作ったものなのか、口伝えされて世代を超えて伝承されている。もちろんテープはないから、古い音楽は全部口伝えの伝承、せいぜい紙に歌詞が振ってあった程度だが、楽譜はいつ頃から普及したかも気になり始めてきた。

 1971年リリースのスティーライ・スパンの大名作「テン・マン・モップ」はトラディショナルの求道者アシュリー・ハッチングス最後の参加作品で、以降は新たなる挑戦に出向いているが、この「テン・マン・モップ」は凄くて、Zepの「Led Zeppelin IV」と同レベルの凄さを持っている。ポピュラーさはないけど、貫禄、重鎮さ、荘厳さ、そして格調高さと英国ならではの風格を全て兼ね添えており、しかもそれがドラムレスで迫ってくる重厚さ。

 アシュリー・ハッチングスは伝承音楽を自分で集めては録音していたが、スティーライ・スパンではエレクトリックトラッド形式でそれらを残しているので、アーティスティックなエゴは出てきてしまうが、それでもドラムレスは凄い、それでこの重さだ。またマディ・プライアのトラッド好きも見事で、以降のスティーライ・スパンはマディ・プライアの意思で継続していく非常に貴重な存在。

 スティーライ・スパンはフェアポート・コンヴェンションから離脱したアシュレー・ハッチングスが新たにウッズ夫妻と組んだバンドだったが、フェアポート・コンヴェンションと同様にバンドメンバーの入れ替えが非常に激しく、マディ・プライアが看板になっているがほぼアルバム毎にメンバーが異なっている。しかしロックファンでこのアルバムに辿り着いた人はどれくらいいるだろうか、また、感銘を受けるくらいにこのアルバムを聴いている人は多いだろうか、ジャンルだけの次元でなく、音楽として気軽に聴ける作品ではないが、その分聴き込むとこの重さが素晴らしく感じる作品。





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フレ
Posted byフレ

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