死刑台のエレベーター - Original Soundtrack(1958)
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映画とジャズと云えば、マイルス・デイヴィスと「死刑台のエレベーター」が最高の組み合わせでインパクトが強く、また絶妙なコラボレーションを知らしめた作品で、時代は1957年、マイルスが新天地ヨーロッパに新しい音を見つけて旅に出た頃、フランス映画の天才ルイ・マルはヌーベルヴァーグ時代に新たなる息吹を与えるために緊張感漂うサスペンス映画を制作したところだった。「死刑台のエレベーター」はモーリス・ロネとジャンヌ・モローとフランス映画を牽引する人物が主演を務めており、しかもルイ・マルが結集した奇跡に近い作品と、更にマイルス・デイヴィスが加わり作品の価値を上げている。
この時のマイルス・デイヴィスは映画のシーンを見て即興で音を紡ぎ出したと云われており、正にジャズの即興音楽による緊張感と映画が演出する緊張感が相見え、モダンでハードボイルドなフランスとアメリカ文化が混じっている。多分マイルスを知らないでこの映画を見ても印象に残るサウンドに気付き、クールなトーンで迫るトランペットがより一層恐さを出してくれる。サントラ盤は今では「死刑台のエレベーター[完全版]」がリリースされていて、しかもジャケットのセンスの良さがフランス的で素晴らしく、内容は映画で使用された楽曲に加え、実際に即興で作り込んでいく過程のアウトテイクを収録したもので、天才マイルス・デイヴィスと云えども全て一発ではなかった興味深い完全版。
note : Jazz
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