Hound Dog Taylor & The HouseRockers - Natural Boogie (1973):
0 Comments

ロック寄りブルースメンの登場で嬉しくなるが、奥深いブルースの歴史と世界の中では異端児も何人かいるし、60年代からブルースメン達もエレクトリックで弾き倒すスタイルが現れ、ご存知英国ロックな若者たちがブルースを盛り上げた。音楽の世界は全て繋がっている素敵な話になるが、ここまでロックに近づいた黒人ブルースメンも多くない。
ハウンドドッグ・テイラーが1973年にリリースしたセカンド・アルバム「ナチュラル・ブギ」で、ハウンドドッグ・テイラーは6本指のギタリストと最初に思い出す人だが、最初に知った時は指が一本多ければギタースタイルも変わるし、聴いてみたいと思ったものだが、実際それは関係なかった。エレクトリックなスライド・ギターから始まる軽快なブギ野郎ハウンドドッグ・テイラーはロック側から聴いても「ハッ」とするプレイではあるが軽めだし、ブルース側からも異質なロック寄りで、中間を縫う感じの作品。プレイは恐ろしいほどのテクニシャンで普通にブルースとロックを弾ける人だが、フレーズに味が少なく、フレーズはスタンダードな焼き直しで、さほど個性的でもない。エルモア・ジェームズばりのスライド・ギターは健在で、そのスライド・ギターのインパクトだけで成り立っているし、ベースレスでギター二人で音が軽めで、White Stripeの原型に近いスタイルなので、なるほどと頷ける。
二人のギタリストとドラマーで成り立っているバンドでかなり異質なスタイルだし、ハウンドドッグ・テイラーともう一人のギタリスト、ブリューワー・フィリップスがベースラインとギターソロプレイを受け持って変幻自在にプレイを楽しんでいる姿を聴くと未来に繋がるヒントは多い作品。音楽の良さよりもギターの良さよりもアイディアの着想が面白く聴こえて、後は録音によるが、左右どちらがどっちのギタープレイかに頭を悩ます。普通のロックやブルースに飽きた人はこの辺で変わり者が聴けるし、音楽的にアルバム的にはイマイチながら、このスライドは堪らない。

- 関連記事
-
- Luther Allison - Live in Chicago (1995):
- Hound Dog Taylor & The HouseRockers - Natural Boogie (1973):
- Luther Allison - Live in Chicago (1995):