Otis Rush - I Can't Quit You, Baby (1956_58):
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シカゴブルースの中核を担ったオーティス・ラッシュこそがウィリー・ディクソンの起死回生を果たすプレイヤーとは有名な話だが、1950年代中期にはまだ新興レーベルだったコブラの気合いの入ったバックアップ体制と共にディクソンも気合いを入れてプッシュしたブルースプレイヤー。生まれは1934年なので先のバディ・ガイと同じ世代のブルースメン。イメージ的には結構古い人の印象は50年代から活躍してきたから。
コブラレーベル時代の作品はシングルバージョンや別バージョンも含めて「I Can't Quit You Baby」に全てが収録してある。手を変え品を変え、いくつものジャケットでリリースされているのでどれでも大丈夫。ギタープレイそのものも現代的だけど、エコーの音やバックのサウンドも凝った音で、時代的にロカビリーが流行した時期だからその音に近いか。この人は歌が良い。ブラスも入ってて最初からゴージャスなプレイヤーな出方もモダンでシカゴ的。
この人の真髄は50年代の録音だけでなく、チェスにも素晴らしい録音を残している。初めてオーティス・ラッシュを聴いたのはアルバート・キングとの「Door To Door」だ。一緒に収録されているが、共演ではないカップリングアルバムでB面がオーティス・ラッシュでA面はアルバート・キング。どう聴いてもB面の方がカッコ良い。「All Your Love」はクラプトンがジョンメイオールのアルバムでプレイしている曲。心地良いエコーと共に「Door to Door」に収録されているバージョンも素晴らしい。極めつけは「So Many Roads」の魂を吐き出すような歌声とエモーショナル感たっぷりのオブリギター。全てのブルースギタリストがコピーしたくなるフレーズの連発で、ソロに入る部分までカッコ良く、ソロもエグい一発で気合い満点の最高のプレイ。これを聴いたら誰でもギター弾きたくなると思う。

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