Earl Hooker - Two Bugs And A Roach (1969):
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個性的なブルースギタリストは数多いが、中でもかなりの異彩を放ったプレイヤーがアール・フッカー。時代的には些か新しくなるものの、ブルースメンのくせにSGのダブルネックをメインギターとした変わり者でジミー・ペイジが使用しているあのギターだ。もちろんアール・フッカーの方が早いので、ジミー・ペイジもヒントにはなっているだろう。それはアール・フッカーの奏でるサウンドからも影響を及ぼされて、酷似したフレーズが聴かれる。
アール・フッカーはシカゴブルースプレイヤーで活動したが40歳で亡くなって、1930年生まれでシーンに出てきたのは1952年頃。自分が好きで聴いている作品「Two Bugs And A Roach」は1966年から68年頃の録音。冒頭のタイトル曲からファンキーなロックでカッコ良い。ノリノリのMCと掛け合いが収録されてて、スティーヴィー・レイ・ヴォーンが好んで使用したズッ、チャーチャララララッとファンキーなリズムギターをメインとした楽曲が始まり、そのフレージングに驚く。
ちなみにギターで音を変化させている様子が聴けて、例えばピックアップ切り替えのスイッチの音や、その後のギターの音色の変化も聴けたり、その合間にトーンをいじって、またスイッチングでガラッと変わったサウンドを出したりと面白い。12弦を使用するシーンはなさそうだけど、そういうギターの使い方はかなり独特で研究しているのが分かる。
ワウペダルで全編を通して弾きまくる「Wah Wah Blues」もホンモノのブルースメンがやると凄く味が出る。他にもワウペダルでアクセント的にソロを弾いているけど、ギターの音が生音に近いサウンドにワウペダルだから面白い効果で革新的な人。「Anna Lee」で聴けるギターのトーンはフロントピックアップでトーンを絞ってエコーを掛けたサウンドでイントロが始まるけど、最初だけ聴いたらツェッペリンの「You Shook Me」のイントロと同じ。あちこちでこの人のイントロは聴けるので得意フレーズだと思う。
こういう美味しいところをパクれるペイジのセンスは凄い。ちなみにスライドギターも絶品なので、その筋からは一目置かれている実にロック的ブルースメンで、CDはあまりリリースされていなくて似たようなベスト盤が多いけど、1960年代前半の作品を寄せ集めたベスト盤やジャケが脳天気なベスト盤で一度耳にしてみるとロックへの影響力の大きさがよく分かる。

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