Robert Johnson - The King Of Delta Blues:
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ブルースを語るには外せないキング・オブ・ブルース、ロバート・ジョンソン。ちなみに同姓同名の人間はアメリカには山のようにいるし、あまりにも一般的な名前が伝説の人物になったために同姓同名のミュージシャンは皆が皆ミドルネームによるあだ名を自分の名前として呼ばせるくらいに強力な個性を放ったブルースメン。そういう側面も持っているが、通称ロバジョン。英国ロックミュージシャンの間では伝説と語られ、クラプトンからジミー・ペイジ、ブライアン・ジョーンズやキース・リチャーズ、ピーター・グリーンなどありとあらゆるミュージシャンをしてその歌とギタープレイの強烈な印象をレコードで聞き込んだ彼等はこぞってそのフレーズをコピーしては自身の曲に反映させている。
流れ流れて辿り着いた先がミシシッピー州で、悪魔に魂を売り渡して辿り着いた先で、その十字路を歌にした「Crossroad」はあまりにも有名。クリームによる独特の演奏はそのアドリブプレイにより賞賛され、惜しげもなくロバジョンの曲と言い張ったクラプトン。その十字路の話は後に映画も制作され、そこではライ・クーダーの音楽と映画にも出演したスティーヴ・ヴァイによるパフォーマンスが象徴的で面白い。もちろんロバジョン本人はそんなこと露知らず、27歳で人生を終えてしまう。毒殺。それも女癖の悪さからで、カッコ良いものでもなく、どうしようもない人間だけどギターを持って歌わせたらとんでもないヤツだった。
1930年代にいくつも吹き込んだ音源が残されており、それらを纏め上げたアナログ時代から有名な「King of Delta Blues Singers」だが、CD時代はソニーから怒濤の2枚組CD「The Complete Recordings」がリリースされ、そのアウトテイクとほぼ全てのロバジョン音源を網羅しているので決まり。最初は何が楽しいのやら、どれも強烈な歌と刺さるようなギターは衝撃的だったけど、一曲一曲の違いは大して感じないもので、いくつか聴くと非常に疲れる音楽だった。今でも立て続けには聴けない。だが、一曲づつ時間をかけて聴くと、それぞれの持つ曲の凄さに驚く事が幾つもある。歌詞もよく取り上げられるが、非常に直接的なブルースソングが多く、そのまま読むと現実味のない歌詞もあって、何気にセンスを光らせている。「Devil」が入ってくるあたりが良い。
そしてギター一本で弾いているとは思えないくらい多彩なサウンドが散りばめら、ギターを持ってコピーしながら聴こうと思っても全く手が出ない。それをロバジョンが好きだからコピーしてたクラプトンやペイジは変態だ。素人にはどういう聴き方したらコピーできるかも不思議なのでその辺が偉人だ。今日本でギター弾いてる人、プロも入れてロバジョンコピーできる人は何人くらいいるだろ。しかもジミヘンもとなるともっと少ないだろう。もちろんアコギでのプレイだけど、マーシャルの音より歪んでる。
昔は写真一枚も見つからなかった伝説の人物。ようやくあのタバコをくわえてアコギ持ってる写真が発掘されて話題になり、ちょっとしたら「The Complete Recordings」のジャケにもなったスーツ姿の写真が出てきてとんでもなく話題になった。多分、この二枚しか写真はないくらい希有な人。

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