Message - From Books & Dreams (1973):
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自主制作1,000枚だけリリースの70年代の幻の作品、ようやく再発のキャッチは貴重なアイテムとは理解しやすいが本当に音楽がDLやネットだけで存在するようになったら貴重度希少価値はあり得なくて均一に並んでいる音楽のひとつになるので、そうなると均等に聞く人が出て来るから後々の作品の評価が変わるだろう。何十年単位の話になるけど、今はまだアナログ時代の歴史が持ち込まれてるからそういう視点にはなってないが自分が生きてるウチに見てみたい世の中。
1972年にデビューアルバム「The Dawn Anew Is Comin」をドイツからリリースしたMessageは英国とドイツの混合バンドで今回は翌1973年にリリースされたセカンドアルバムの「From Books & Dreams」だ。何ともインパクトのあるジャケットで、見たことある気がしたらMcChurch Soundroomの「Delusion」に似ている。ファーストアルバムは以前書いてるので、妙な錯覚を起こして聴いているが、正しく70年代初期のごった煮サウンドでハードロックをどう展開できるかに挑戦している姿が面白く、一辺倒なハードロックでもなく、寸劇やドラマも入り、ジミヘン的なギターサウンドも加わり、楽曲は自由に展開し、そして空を舞うようなサックスの音色がジャジーなバックの音の中で美しく響き渡るので、Catapilla的な混沌さに通じる。アルバムの終盤に行けばこの混沌さと恍惚感が増してアルバムジャケットのドクロを舐め回す蛇がヌルヌルと動いているような音世界で演奏は大して上手くもないし、若さと気合と熱気だけでここまで創り上げているが、ギターの音はストラト系のスカンとした音はシングルコイルな音の感じで良い。
この時代の面白さは何でもありの大作で長い曲も無理なくそつなく自然に流れが出来上がって、様々なドラマを盛り込みながら最後らしい展開を持ってくる。そういうドラマティックな世界があるから、一概にハードロックと言えない部分が音の深さを出してて、英国に肉薄する作品になってるし、ジャーマンハードの世界も広くて楽しめるけど、似たようなアプローチが多いから悩ましい。

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