Magma - Kohntarkosz (1974):

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 ザッパがアメリカの奇才なら、マグマはフランスの奇才集団で変拍子や音楽的コンセプト、ストーリー仕立ての展開と独自の解釈、そして恐るべきテクニカル集団という意味でも両者は甲乙付けがたいがさすがに文化の違いと方向性の違いは大きく、ザッパは明快で底抜けに楽しめる音楽、マグマは重く深く沈み込む世界を構築している。しかしどちらもコーラスやサウンドで世界を創り上げている点で全く同じかもしれない。

 1974年リリースの名盤「Kohntarkosz」は前作「Mekanik Destruktiw Kommandoh」で構築した世界を発展させて落ち着かせた感じの作品。ヤニック・トップのベースのうねりが凄く圧倒的な音圧と世界の深さでコーラスは多数入って荘厳で歌詞らしい歌詞はほとんど見当たらない変わった作品だから聴いてない人には想像つかない音だけど、変則的に構築された音世界にコーラスを加えて荘厳さを出しながら、世界の終わりを感じさせるように畳みかけてくるので、プログレの陳腐な言葉の中に入れる音楽世界ではない。

 「Kohntarkosz」は彼等の4作目の作品で、本作以降からサウンドが変化していくし、大作1曲が二分割されて小曲二曲の構成で、特に前半の「Kohntarkosz Part.1」はワンパターンなコーラスがひたすら迫ってくるが、「Kohntarkosz Part.2」は静寂から激動へ見事に世界を表した作品で本作の目玉曲で残りの小曲群も、すべてが終わった後の興奮を抑える余韻のようで、これがなかったら興奮が収まらない。それでも盛り上がるので、アルバム全編を通して非常にいやらしい世界を音で表現している。



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Posted byフレ

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