Ibis - Sun Supreme (1974):

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 1974年リリースの「サン・シュプリーム」は元々がニュートロルスなので新人の一作目とは違うが、シンフォニックでテクニック完璧でコーラス隊もしっかりしてメロウな曲もハードな曲も同居した組曲形式の作品であちこちのレビューも目を通したけど、イタリアンロックの雄だったメンバーが英国プログレに通じるように、英語で歌っている事が話題になり、英国ロックとイタリアンロックの中間と呼ばれていた。ただ、どう聴いても英国ではないロックで、こんなに出来すぎたロックは英国にはなく、ちょっと飾られすぎてるイタリアンです。

 中味はとにかく凄く、アンサンブルや演奏力は当然ながら、楽曲レベルの高さと飽きさせない曲展開や進行、そしてバラエティに富んだメロディとアレンジが幅広さを物語り、それでもIbisの個性は出している名盤。冒頭のアコースティックギターの音色と曲中に出てくる破壊的なサウンドとコーラスワークが極端で面白く、メランコリックなメロディも登場するがあくまでもバンド楽曲で成り立っているし、妙な楽器が入ってないのは自信の表れでもあるし、ロックらしい試みの原点が良いね。

 今じゃ当たり前だけど、メタルとプログレの融合も普通に分かり、それでも不思議に思うが、これだけの優れたバンドを輩出したイタリアンロックはなぜ一瞬だけで沈没したのか、もっと世界的に出てくるバンドがいても良いし、知られていてもおかしくない。これだけのレベルの楽曲をこなすバンドがいながらも今はあまり聞かない不思議。



EUprog

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フレ
Posted byフレ

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フレ
photofloyd(風呂井戸)  

 ニュートロルスはもともとV.D.スカルティとN.D.パーロの双頭バンドみたいなもので、アルバム「UT」後分裂、ありうることだった。その結果のIBISの誕生だが、世界を目指しての英国色を加味したこのアルバムは英語版でしたね(CD時代になって、ここでの紹介のCDは1100円ですか、私が飛びついたCDはPolydor盤で3200円でした)。多くのバンドが世界に羽ばたこうとしたんですね。翌年('75年)のアルバム「IBIS」は、再びイタリア色で余裕しゃくしゃくで、シンフォニックの色は薄れたが、ニュートロルスのイタリア的で生き生きしている。  まあその後N.D.パーロも古巣に戻り「コンチェルト・グロッソ2」で、ニュートロルスも再結成、めでたしめでたしでしたね。

2022/08/28 (Sun) 19:03 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>photofloyd(風呂井戸) さん

この頃はホント、凄かったですね。

2022/08/28 (Sun) 19:04 | EDIT | REPLY |   

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