Formula 3 - La Grande Casa (1973):

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 英国ロックが最も変革に富んでいた時期の60年代末にバンドが結成され、70年にアルバムデビューを果たしたフォルムラ・トレだが、さすがに英国ロックのブームを数年遅れで受けており、英国ロックムーヴメントの代弁者と云えるアルバムを発表していく。元々ビートバンドでスタートして、サイケデリック風味を聞かせたセカンドアルバムまでの後、三作目の「夢のまた夢」で一気にバンドの才能を開花させた。

 一般的には三枚目「夢のまた夢」と四作目「神秘なる館」の評価が高く、以前はプログレ的な要素ではなく、ハードロック要素が強かったから「夢のまた夢」の方が好みだった。効果的なムーグやピアノ、ハモンドの使い方はあるけど、元々がトリオなのでバンドサウンドが強くて良かった。アルバムの曲構成はテーマに基づいた小曲構成で、プログレッシブ的作品だが。

 今は「神秘なる館」の方が好み。全6曲30分強の短いアルバムだけど、イタリア的な粘っこさが薄れて、冒頭のアコギの音から洗練されたサウンドがピンと来るし、叙情性もあるのでコチラの方がオリジナリティを出している。アルバムリリースは1974年だから、英国ロックと同じ進み方でリリースされて、楽曲の変化もアコギで展開される英国ロック的。メロディーや楽曲は偏見を持つプログレ系ではなく、ヨーロッパのポップさとハードロック的で、アコギの使い方が美しくノスタルジックでロマンティックな気分になれる。こういうトコロに美学を求めるとスペインも面白いだろうと思う。熱い魂の国が出してくる優しいサウンドは凄い。



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フレ
Posted byフレ

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photofloyd(風呂井戸)  

Formula 3 ですね・・・ルチオ・バッティスティの「歌心」が生んだイタリアの宝物。私はそのとおり3rd「夢のまた夢」で虜になった。とにかく彼らは曲"夢のまた夢"なくして私の場合は語れないのですが、しかし2曲目の"朽ちゆく、一片の葉"、4曲目"永遠"に、バッティスティという親から離れての当時のプログレへの意欲が感じて感動したものです。これはピンク・フロイドがまだ迷っていた「原子心母」の時ですからね(それよりは当然遅れて初めて聴いたのですが)。
 しかし、フレさんの言われる
>今は「神秘の館」の方が好み ・・・・
これはおそらく彼らに前作の力みのある実験から余裕が生まれての作であって、そこにイタリアものの味が出ているからなんでしょうね。フレさんはもはや達観者というかオーソリティーの感覚ですね、解ります。
でも、私は「力みの仰々しさ」が意外に好きで3rdを押すんですが(私はいまだ若いんです(笑い))。

2022/08/26 (Fri) 12:57 | EDIT | REPLY |   

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