Paolo Rustichelli & Carlo Bordini - Opera Prima (1973)
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70年代初頭のイタリアンロックの層の厚さは毎回聴く度に驚かされるし、それも10代の鍵盤プレイヤーが率いたバンドでもイタリアンな音を出しているからで、もっとも自然環境下で聴いていた音楽をロックの刺激によって組み合わせたらそうなった代物かもしれないけど、それにしてはイタリアンの統一感が面白い。
Paolo Rustichelli & Carlo Bordiniの「オペラ・プリマ」はユニットでもフォークデュオではなく、普通のイタリアンロックの世界を築き上げているが、鍵盤奏者がこの頃まだ16才くらいで素晴らしい才能。メンバーは二人しかいないのでオーバーダビングを何度も重ねているが、普通にドラムと鍵盤類やベース、歌が被せられているのでイタリアンロックの濃い展開が楽しめて、やや音の良さやバランスに欠ける部分はあるものの叙情的な展開、素朴なピアノによる小曲、仰々しいほどのメロトロンによるオーケストレーションとどこを取っても一発でイタリアンな音です。
凄いのはアルバム「オペラ・プリマ」のリリースは1973年、これは英国でMike Oldfieldが「チューブラー・ベルズ」をリリースした年と同じで、このPaolo Rustichelli Hammond & Carlo Bordiniの二人もオーバーダビングを重ねて複雑な音世界を作り上げていた事実。ボーカルのスタイルはピーター・ハミルの絶望と熱唱が同居したようなもので、楽曲の作りもやや似た傾向が聴けるし、しかもジャケットデザインもイタリア的だから素晴らしい。

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