Toe Fat - Toe Fat (1969):
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不気味ジャケットシリーズの中でもダントツに誰もが生理的嫌悪感を表すアルバムをひとつ…それでもヒプノシスのデザインだから人の記憶に残る作品を創らせれば天下一品に狂いはないが、やっているバンド側からみたらそれもどうなのかと思う逸品でもあるのは確か。
1969年リリースのToe Fatによるファーストアルバム「Toe Fat」は見ただけでイヤな気がする生理的嫌悪感の一言。ちなみにアメリカ盤はあまりにも不気味だったので左端の人間が白い犬に置き換えられているけど、あまり意味なく、もうジャケットを見ただけで音に想像力が回らない、中味以前に手に取りたくないジャケットです。
しかしその中味は、実はケン・ヘンズレーが鍵盤でもギターでも活躍しているバンドで、1969年より後になって出てきたような相当に洗練されたカッコ良い最先端のハードなロックンロールで大英帝国ロックが詰め込まれています。全くB級ではなくA級の練られたロックが聴けるのでジャケットでの減点度合いはともかく、この手が好きな人は是非オススメで後のユーライア・ヒープを期待し過ぎるとちょっと異なるけど、その前兆は十分に感じられる重いハードロックサウンド。
ボーカルでこのバンドのリーダーでもあるクリフ・ベネットの渋い歌声とハードロックがブレンドされて、そこにケン・ヘンズレーの重いセンスがしっかりのしかかる図式で多少のポップ加減も時流の流れで入ってるけど、邪魔にもならずメロディラインの覚えやすさでアリ。しかしこのギターの粘っこさは独特でブルース一辺倒ではないけど、いやらしさがクセになる。
そう考えると勿体無いジャケットでのマイナスでちょっと違ったジャケットだったらケン・ヘンズレーだし、この一作で脱退してしまったが結構な名盤扱いされてもおかしくない。バンドはクリフ以外のメンバーを総入れ替えして翌年にセカンドアルバム「Toe Fat II」を発表しておしまいだが、セカンドはもっとハードロックしてるけど、これもまたジャケットが気持ち悪い。

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