May Blitz - May Blitz (1970):
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ミュージシャンには華々しい時もあれば地味な活動をせざるを得ない時もあるが、一瞬の晴れ舞台に躍り出た事のある人物はまたその世界を堪能したくなるだろうか、それも自分が中心となってスポットライトを浴びる気持ち良さを味わうために、とそんなことをふと思うバンドもある。
先日Gun~Three Man Armyと流れたガーヴィッツ兄弟の話を書いたが、そのThree Man Armyの屋台骨となったドラマー、トニー・ニューマンは、そもそもジェフ・ベック・グループの1969年発表の「Beck-Ola」のドラマーで名を馳せて、新人でいきなりベックと共演ではないと思うのでその前の来歴を知りたい所だが、ドラマーとしては既にテクニカルな部類で、しかもプロのメシの食い方も分かっていただろう。そんな時に二人の若者、ジェームスとレイドに会って一緒に組んだバンドががメイ・ブリッツ。
音の話はもう少し後として難しいはその前後。実はMay BlitzはBakerlooのドラマーのキース・ベイカーがベースボーカルのテリー・プールとBakerloo脱退後に作ったバンドで、そこでギターボーカルの当時16歳のジェームスに出会って一緒にプレイしてたらしい。でもすぐに首謀者二人が脱退してどうしようかと思っていた所に同じ年代のレイドをとりあえずキープ。次を考えてたところにトニー・ニューマンが参加したらしく、その辺の関係はよく分からないけど、何か面白そうなアンダーグラウンドシーンだ。
トニー・ニューマンの目論見でトリオ編成で望んだこのバンドは1970年に最初のアルバム「May Blitz」をリリースするが、これがまた正しく英国ハードロックサウンドで、しかも音が綺麗で演奏が上手いからもっとプッシュされれば売れただろうに、残念ながらヴァーティゴレーベルのリリースだったためか、それだけでB級バンド扱いでプロダクションとの絡みもあっただろうが勿体ないと思うバンドのひとつ。当然ハードな路線だけでなくアコースティックを掻き鳴らしながら聴かせる曲もあったが、単なるハードロックではなくそこにプログレッシヴな要素も多分に入れてコーラスワークも交えたりして、この時代のバンドだからもあるけど、そんなにマイナーでもないので聴いてほしい。
アルバムは二枚しかリリースされていないが、翌年に同じくヴァーティゴからセカンドアルバム「セカンド・オブ・メイ」がリリースされ、基本的に同様の路線のアルバム。ファースト「May Blitz」はダブルジャケットで縦長の絵になっているのも面白い。

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