Lordi - Get Heavy (2003):
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キャッチーでポップセンスの溢れるメロディ、且つハードロックで実践し、更にインパクトを与えるために悪魔の格好とメイクを施してセールスに繋げる手法で見事にアメリカナンバーワンエンターティナーに君臨しているキッスの影響力は全世界に及び、この日本でも聖飢魔IIと悪魔コミックバンドを生み出し、コミカルなキャラクターと裏腹に安定した演奏力とパフォーマンスで人気を博したが、それ以外も世界中にキッスに続けとばかりに、メイクやひとつの宗教観に基づいてバンドイメージを創るバンドは山のようにあるが、その中のひとつがフィンランドのLordiだ。見かけの通り怪物コスチュームに身を包んだパフォーマンスバンドは一目瞭然で、普通はこのルックス見たら聴かないし、興味も持たないけど、ある時MTVのイベント時のゲストで出てた様子を見たのが最初のきっかけで、まさか世界中にそんなにたくさん怪物の格好したバンドがあるとは思わなかったが物は試しとばかりに音を入手して聴いて大爆笑。
ファーストアルバム「Get Heavy」が、キャッチー且つポップなコーラスワーク満載のハードロックで、しかもフィンランドだから美しいメロディセンスもさすがで、音だけ聴くと怪物コスチュームは関係ないから純粋に面白い。バンドの成り立ちはフィンランドのキッスファンクラブの会長だったボーカルのロルディ氏がどこかで行われるキッスのイベントに同船していたファンクラブの会員のメンバーと意気投合してバンドを組んだらしいので、全員筋金入りのキッスファンで、こんなバンドには珍しく、あのメイクしているので綺麗さは不明だが鍵盤に女性を配置している。
フィンランド人はこういう美しいメロディをこんなにいくつも書けるものかと不思議になるほどで、フィンランドだとハノイ・ロックスがアタマに浮かぶけど、ハノイも綺麗なメロディあって驚くが、こちらのロルディも満載でとにかくメロディセンスに脱帽する。もちろんポップでキャッチーなサビに笑う曲もあるが、知ってて狙ってやってるから良いし、このアルバムで美しい曲と言えばダントツに「Would You Love A Monsterman」だ。とにかく切ない感じのメロディラインでひたすら盛り上げてくれる、そういう意味では次の「Icon Of Dominanace」も哀しげなマイナーなヘヴィロックで良く、鍵盤の音が切なくて良いので、このヘンは凄い曲が並んでいて、次の「Not The Nicest Guy」もハードロックだけど胸キュンな感じの流れるサビのメロディラインが最高で、実にフィンランドらしい。そういう感じの曲ではもう一曲「Last Kiss Goodbye」もあり、このクサいタイトルから想像できるけど良いし、それと完全にキッスかぶれのハードロックは「Dynamite Tonight」に尽きるが。これは初めて聞いたら絶対に大爆笑するポップでキャッチーで最高。CDの最初の方は大体こんな感じのハードロックが並んでいるので、まずはハードな展開でリスナーを聴きつけて途中から切ないマイナーメロディでメロメロにしながら後半はまたハードロックでダメ押な構成も見事。
ルックスのくだらなさに怯えないで是非一度耳にしてもらいたいバンドのひとつで2006年ユーロビジョンコンテストの優勝バンドだし、こんなバンドを国の代表で出してしまうフィンランドも凄いが、それを認めてたヨーロッパ人も素晴らしいと思う。

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