Iron Maiden - The Number of The Beast (1982):
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骨太なHMバンド、そして女性よりもオトコのファンが圧倒的に多い男臭いバンド、汗臭いバンドとも言うべきか、そもそもヘヴィメタなんてオトコしか聴かないもんだった最初期は今じゃ関係ないけど、昔はヘビメタ聴く女子はいなかった。自分はそんなにメタル派じゃなかったのであまり害はなかったが、それでもロックはオトコのモンだったという、勝手な思い込みかもしれないが、まだそんな時代にヘビメタを全面に出して今でも最前線の人気を誇るアイアン・メイデンは英国産で奥深くてレベルが高いので楽しい。
1982年にリリースされた三枚目の作品「魔力の刻印」からボーカルが今のブルース・デッキンソンが加入しており、前二作はメタルとパンクの合いの子の方向性もあって面白かったけど、作品の幅と楽曲の展開に磨きがかかったのは「魔力の刻印」からで、アルバム冒頭の「The Invador」は昔からの曲に近くてインパクトはあるしオープニングにはぴったりながら、既に時代が過ぎ去った感じの曲。2曲目以降の作風こそが今後のアイアン・メイデンの楽曲群で、中でもタイトルナンバー「魔力の刻印」と「Run To The Hill」は凄いし、ラストの名曲「Hallowed Be Thy Name」と来たら単なるヘビメタバンドの作品とは思えないクォリティの高さを実感できて、これからの大作志向を予感させる。同じように凄いのは「22 Acacia Avenue」でも思うが、言い始めると多分全曲かなりの名曲揃いになっている。
ヘヴィーメタルサウンドを模索して辿り着いた瞬間に次なるオリジナリティへの出発を模索し、そこで進んだ方向性にプログレッシブな展開と神々しいまでのメロディ展開が挙げられ、アイアン・メイデンの独自性を打ち出してきた。ツインギターのメロディアスさも英国風な独自スパイスでシーンに君臨し、他のバンドには成し得なかった未開の領域に足を踏み入れ始めたアルバムが「魔力の刻印」でリアルタイムで耳にした人はただカッコ良いと思って聞いただろう。昔の自分はジャケット見ても好きじゃなかったし、メタルの怖さ、迫力、見た目の悪さ、ムサ苦しさがあまり好きじゃなかったが、もっと後にじっくりとアイアン・メイデンを聴き始めたやや遅めの取っ付き型だった。

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