E.Z.O - E.Z.O (1987):

2 Comments
B0002V01FG

 日本のバンドが海外に出て世界の土俵で勝負する事は夢物語だが、その分ファンの夢は大きく期待も高くなり、その頃に北海道から出て来たフラットバッカーがもの凄く衝撃的なサウンドでシーンに活気を与えていたが、日本の活動を早々にして世界に出て行く選択を採って話題になった。フラットバッカーはパンクメタルの攻撃的なサウンドと歌詞が強烈でそれまでにはなかった世界を出していたけど、世界進出したフラットバッカーの期待も大きく、あのサウンドは世界にも類を見ないのでもしかしたらウケるとの期待も高かった。

 E.Z.Oに改名して1987年にアメリカデビュー「E・Z・O」はキッスのジーン・シモンズプロデュースがかなりの箔を持っているが、肝心の音世界がフラットバッカーと異なる志向性で、当時は馴染めなかった記憶があり、それはアメリカナイズされた音で、ハードコアパンクメタルではなかったから余計に終わった感が強かった。その後話題に上らなかった記憶もあるが果たして…。

 ところが今回も聴くと当時そんな風に思っていた「E・Z・O」が凄く良く出来ているアルバムに気づいて、アメリカのHR/HMサウンドに仕上がっているので好みが出るけど、実に丁寧にワイルドに迫力ある音で作られてて、メンバーも相当苦労させられただろう出来映え。楽曲の良さはリスナーの感性なので、そこからが評価だけど、その手前の音作りやあるべき姿はプロだからレベル感が違うし、ここまでやって売れなかったらレーベル側の責任も大きいくらいの出来映え。

 これまでのゴリゴリコアメタルパンクからミドルテンポに落とした攻撃性にバンドの音が変わり、重低音メタルでもなく、ある程度のレンジでフラットバッカーらしさはあるもののE.Z.Oの音になって、演奏が丁寧になり、マーケットに入り込めるサウンドと実感。古臭さはないし、曲も作り込まれて悪い点は見当たらないので、当時のアメリカのマーケットで売れなかった理由は早すぎたせいかもしれないが、アメリカでこの手のサウンドが売れたのは90年代からだから早すぎたかもしれない。そしてバンドは数年で解散するが、それでもこういう引っ掛かる作品を残してくれた事は良かったと今更ながら思う。





EU_HardHeavy

関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
Who?  

フラットバッカー時代の激しさもなく当時の主流の音でもなく
割と中途半端な音作りになっちゃったのが残念でしたねぇ
その変を差し引いて聴くと結構いい感じなんですけどね 

ジーンがプロデュースするとたいていコケるというハナシも・・・ 

2022/06/07 (Tue) 10:25 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>>

ま、、、それはそうですが…。
日本が世界に出した数少ないバンドの偉業のひとつですから…。

2022/06/12 (Sun) 17:48 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply