Illusion - Out Of The Mist (1977):

6 Comments
B00H9H80QS

 あちこちのブログを見たりTwitterで色々な人の呟きを見てる中で、良いの聴いてるなとか、コレ聴いてみたいと思うアルバムはいくつもあるし、まだ書いてないものも多いと改めて音楽の広さ深さを思う。到底制覇できるものではないし、別に制覇しても偉くないし、気持ち良く聴けるのが肝心だが、何度も聴く作品もあればその時気持ち良ければいいのもあるし、BGMとして最適もある。何が良いはその時の気分で、そういう意味では色々な音楽を知ってると選択肢が広がるので良いが、そんな中、ルネッサンスの系譜でイリュージョンの登場。

 1977年にリリースされたIllusionのファーストアルバム「醒めた炎」は知る人ぞ知る世界で、ルネッサンスのオリジナルなバンドが名前を変えて時代遅れながらも出したアルバムで、その実、ヤードバーズのボーカリスト、キース・レルフが様々なバンドをやった後に再度オリジナル・ルネッサンスを再編してメンバーが集められていた時に感電死。その意思を実の妹でオリジナル・ルネッサンスのボーカリストのジェーン・レルフが形にしたバンドがイリュージョン。メンバーは元々のオリジナル・ルネッサンスに二人加わった形で結成されており、そして音楽性もオリジナル・ルネッサンスが目指した世界観を継承して、アニー・ハズラムのルネッサンスが煌びやかに輝いた世界とするならば、イリュージョンはちょっと翳りのある突き抜けられない感触が漂うクラシックからポップへの橋を架けたバンド。もともとキース・レルフはフォークとクラシックを融合させたバンドを目指していたので、本来はそういう方向性だったけど、本人が不在なのでクラシック寄りになったが、メジャー路線で心地良く聴けて、何か守ってあげたくなる病弱感があるが故に日本人は好む音世界。

 ジャケットもジェーン・レルフが喪に服す女神のように描かれているのでそれだけでソソられるが中身も湿っぽくてよろしいし、一曲目からジェーン・レルフの歌声を、と思って聴くと、実はジム・マッカーティーのリードボーカルでやや肩透かし。この二人がそれぞれボーカルを努めてバンドの音のバリエーションは広がっているけど、その辺がもっと突き抜けてジェーン・レルフを出せば良かったと思う。時代はパンク以降、それでこのクラシカルな音世界でかなりレベルの高い世界観なのに中途半端になっているのが残念ながら、今こそ再評価されるのは分かるけどリアルではこれは難しいだろう。そんな評価はともかく、きっちりと来歴付きで聴けるから相当の名盤で、多分イリュージョンの音世界を継承出来ている英国然としたバンドは出て来てないだろうし、商業路線に乗らないからだけでなく、この魅力が出せない。それでいて「醒めた炎」は美しく素晴らしい作品なので正に萌え、ちなみに一曲、オリジナル・ルネッサンスでやってた曲を再収録しているので聞き所で、キース・レルフに捧げているらしい。





UKprog
関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 6

There are no comments yet.
小梅の爺や  
JACKET買

初めまして
以前に自分のブログの「ジャケット買」で取り上げたことが有るお気に入りレコードです。内容も良いですよね。
6/3のアニー・ハズラムも以前から気になってる人でレコードを聴いて見たくなりました。

2022/06/04 (Sat) 23:01 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>小梅の爺やさん

はじめまして。
70年代までのレコードジャケットは美しい作品が多くて良いですよね。
アニー・ハズラムも含めて稚拙ですがオススメの歌姫たちです♪

2022/06/05 (Sun) 20:08 | EDIT | REPLY |   
photofloyd(風呂井戸)  
ご本家illusionは、もう過去で・・あまり記憶なしです

バンド"illusion"ですか、彼らは2代目Renaissance前に出したアルバム名(宇宙を杖をもって歩いているジャケ)から再結成でこのバンド名にしたんでしょうね。
 私は、当時はRenaissanceは、2代目軍団のアニー・ハスラムからで、今も40年以上ぶりについ1年半ぐらい前に手に入った1977年の彼女のライブ映像を手にしてからは、もう全く満足してそこに固まってしまいました。Renaissance盛んの頃は、もどってアルバム「illusion」をも手にしていたんですが・・やっぱり私の印象はアルバム「Novella」ですね。何に惚れこんだかというとハスラムのヴォーカル世界だったということだ思いますね。しかしアルバム「四季」あたりはもうあまりのめり込むことはなく、軽く流してしまっていました。
 このニューバンド本家Renaissanceの"illusion"はしたがって、さらに記憶になくなっていたものです。
 しかしRenaissance関係話は懐かしさで、メロメロです。そこでつまらないことを書かせていただきました。

2022/06/05 (Sun) 22:03 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>photofloyd(風呂井戸) さん

いや、どうしたってそうなると思いますよ。
「Novella」に限らずあの辺のアルバム全てが素晴らしく、そこに1977年のライブ映像でトドメを刺す。そんな印象で感動ものです。

2022/06/12 (Sun) 17:45 | EDIT | REPLY |   
アーリーバード  
フレさまお久しぶりです

ジェーン·レルフ絡みになると贔屓の贔き倒しになり
そうでスルーしようと思いましたが見て見ぬふりでき
ず少しだけ記させてください。

イリュージョンは3枚とも持ってます。大好きなバンド
ですが冷静に2歩3歩と下がって聴けば決して名盤でも
プログレでもシンフォニックでもないです。
本家分家を問わずルネッサンスの流れを受け継ぐ位置
付けであっても音的にはずいぶん乖離しているように
感じます。この辺りキース·レルフが早世していなけれ
ばもっと違った音になっていたかも知れませんね。

だからといって決して駄作でも凡作でもありません。
愛すべき正真正銘の佳作だと思います。この翳りと
湿りは英国物でしか出し得ない音作りだと思います。
とりわけ小生的には2nd幻想の翼があたま一つ抜け出て
いると思います。Wings Across The Seaは慈味掬す
べき1曲であります。

2022/06/25 (Sat) 15:28 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>アーリーバードさん

お久しぶりです♪
しかも本質ズバリのコメント感謝です(笑)。
それでも良いんですよね、正に愛すべきバンド、アルバム…幻の逸品的に無条件に惚れてしまう作品です。

2022/06/25 (Sat) 15:55 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply