Curved Air - Phantasmagoria (1972)

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 クラシック音楽とロックを融合させて、その上で美しい女性ボーカルを乗せる手法を実践したのはルネッサンスが最初だが、別の角度から同じ手法論を採ったバンドがカーブド・エア。アルバムデビューは1970年だから、第二期ルネッサンスと同時期で、よくルネッサンスとカーブド・エアは比較されるが音的には相当質が異なる。ルネッサンスの煌びやかな華のあるクラシカルロックに対しカーブド・エアは妖しげな艶のあるバイオリンバンド。

 カーヴド・エアーの中でも最高傑作と言われる三枚目の「Phantasmagoria」は1972年リリースで、名曲「マリー・アントワネット」が入っており、多彩な変化を遂げていくこの曲はボーカルのソーニャ姫の妖しさにツラれて聴き入ってしまうもので、途中の展開のヘンさ加減からまた戻ってくるところも心地良い。続く「Melinda」も牧歌的でアコースティックな英国然としたリリカルな曲で美しく微笑ましいが、艶やかさがあるのは不思議ながらアルバム全体に実験的意欲が溢れている中の作品で、クラシカルなバイオリンがフューチャーされているが、更にブラスが取り上げられて、盛り上がるトコに上手く使われている。タイトル曲の「ファンタスマゴリア」も凄く英国的で、ケイト・ブッシュみたいな感じがするが、順序は逆なのでこちらが先と、他にも実験色の強い曲が並んでいるので一般的に受け入れられるバンドとは異なる。

 今ではBBCライブやDVDもリリースされているので情報を紐解けるが、自分が漁っていた時はCDも全くリリースされてないし、アナログで一生懸命探してた。それでも初期の三枚とライブ盤はまだ見つかったけど、それ以降のいわゆる売れなくなった時期のアルバムは全然見つからなくて苦労した記憶も懐かしいが、動く姿なんて見れると思わなかったからDVDの映像は衝撃的だったし嬉しかった。今じゃそれもYouTubeいとも簡単に見れる素晴らしさ。





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フレ
Posted byフレ

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