Gong - Gazeuse!

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Gazeuse! Expresso II Downwind


 カンタベリー系アヴァンギャルド路線にハメ込むには少々無理があるんだが、まぁ、流れ的によろしいとしようじゃないか。いや、ゴングの話。どっちかっつうとピエール・ムーランのゴングなんだけどさ。時期的にも1976年以降のジャズ・フュージョン化した頃の作品だったりするので少々カンタベリーのジャズロックとは違う。根がカンタベリーだったハズのバンドなので、逆にここまで変わるモノかと思うくらいの意味合いでは良いか。ゴングの遍歴ってのはデヴィッド・アレンから始まってもの凄いことになってるんだよ。簡単に言うとデヴィッド・アレンが率いるゴングっつうのと、このピエール・ムーランが率いるゴングが同時期に活動していたりするのでややこしい。そしてギリ・スマイスの率いるマザー・ゴングっつうのも出てきているのでゴング・ファミリーの活動についてはちょっとマジメに取り組まないとワケのわからん世界になってしまう。故にどのアルバムが…なんてのも一口に言えないものだ。

 初期のゴングを代表するラジオノーム三部作も素晴らしいユートピア精神溢れる代物だが、ここではそれ以降のピエール・ムーランのゴングを代表する1977年リリースの「Gazeuse!」なんてのを書いてみよう。いやぁ、アラン・ホールズワースが参加しているアルバムでね、アラン・ホールズワースの流れの時に出そうと思ったんだけど音が見つからなくて飛ばしてしまったんだな。で、たまたま見つけたのでここで登場ってことだ(笑)。しかし、誤解してはいけない。このアルバムはアラン・ホールズワースのギターを聴くためにあるものではなく、高尚なアンサンブルと浮游感に覆われたジャジーな空間…というか、はっきり言って木琴とピアノのアンサンブルが美しくてねぇ、そこにパーカッショナブルなものも入り込んでくるという美しい音を奏でる作品なのだ。「Percolations : Part I & Part II」なんていう10分オーバーの曲聴いているとやっぱりテクニカルでカンタベリーチックな音だなぁと言うことがわかるんじゃないかな。あまりにもピエール・ムーランのパーカッションなセンスがよろし過ぎて、下手したらビル・ブラッフォード並みにアチコチのバンドを渡り歩けたくらいのセンスとテクニックを持ってるもん。ソフト・マシーンにビル・ブラッフォードが入ったら…こうなる、って感じかな(笑)。

 そんなゴングの多分傑作だと思う。昔からジャケットはよく見たけどフュージョンチックなのであまり聴かなかったんだよね。ところがまぁ、色々と聴いているうちにこういうのもありか、と聴くようになるものなのだ。以降の「Expresso II」も同様にかなり気合いの入った良い作品だし、その後の「Downwind」もモロに趣味が出た作品だね。ただ時代が遅すぎたかもしれん(笑)。

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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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evergreen  

GONGの継承というと・・・少し高尚過ぎるくらいのカッコよさがあるね、このドラマーさんは。一番右のは、確かマイク・オールドフィールドも参加してたっけ?
かなりの人脈が底辺にあるよね。確かに時代的に遅すぎた感じは否めないですね。
このピエールさんなくなられたんで・・・実に残念ですよね。

2007/06/27 (Wed) 08:19 | EDIT | REPLY |   
elmar35  

こんばんわ・・反応してしまった。(汗)
当方、もちろんホールズワース目当てで聴いた作品なんですが、笛のディディエ・マーレブの存在を初めて知ったのもこれだし、後日ピエール・ベンスーザンにも繋がった作品でもありました。
ベースのフランシス・モーズの妙技や、バウアー女史やムーラン兄弟の愛や嫉妬がいっぱい詰まってますしね。
・・最高に素敵な1枚です。(笑)

2007/06/27 (Wed) 23:29 | EDIT | REPLY |   
フレ  
コメント感謝!

>エヴァ姉さん
ピエールさん、テクニカル且つ正確なリズムでその手の好きな人には人気あるよね。もうちょっと時代が早ければねぇ。

>elmar35さん
反応感謝です(笑)。人間関係も色々とあったようには聞いてますが実際何があったのか…、ねぇ。それでも素敵な一枚が出来上がるのだからミュージシャンですなぁ。

2007/06/28 (Thu) 22:01 | EDIT | REPLY |   

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