Velvet Underground - White Light/White Heat

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White Light/White Heat The Velvet Underground The Velvet Underground & Nico

 Velvet Undergroundと言えばファーストアルバムの剥がせるバナナジャケットがアートワークとしてもそして音楽としても有名で、その作品ではまだ真の意味でのVelvet Undergroundを語ってはいなかったものだ。聴かせるということをテーマに置いた部分もあり、だからこそニコをボーカルに迎えて作品に華を添えている部分も大きかったことだろう。しかしニコは即座にVelvet Undergroundを離れて活動することとなり、ウォーホールの趣味的な面が強かったVelvet Undergroundというバンドそのものはさっさと注意を払われなくなる、そしてそれこそが彼等をアンダーグラウンドの帝王に仕立て上げた根本かもしれない。

 そんなVelvet Undergroundが最もアンダーグラウンドな、そして世に放つ問題作としてリリースしたアルバムが「White Light/White Heat」ではないだろうか?ノイズと混沌、しかもそれは英国の洗練されたものではなくニューヨークの過激なもので言い換えれば品がない音なのだ。しかしその品のなさが英国のロックミュージシャンには新鮮且つ斬新な音に聞こえたことで衝撃を与えていた。代表的なのはデヴィッド・ボウイに於けるVelvet Undergroundへの崇拝度合いだろう。今でも「White Light/White Heat」かデヴィッド・ボウイの代表的なカバー曲でライブでも歌われているものだ。

 このアルバムではまだミュージシャンとしてはよちよち歩きを始めたばかりとも言えるルー・リードと圧倒的音楽経験豊富なジョン・ケイルがその志向性の赴くままにぶつけ合ったアルバムで元祖アヴァンギャルドとも呼ばれる化学反応を見せている。音楽として聴くにはあまりにも未熟な作品だが、Velvet Undergroundの名に恥じないアルバム。特に「Sister Ray」の17分ものエゴのぶつけ合いについては一般のリスナーを絶縁するかのようなものなのだが、不思議と聞いていると心地良くなるのだから人間の本質ってのは怖いものだ。そうでもなければこのアルバムやVelvet Undergroundというバンドがこれほどまでに伝説に残るものにはならないだろう。だからこそ今でも名盤と呼ばれるんだろうな。ある意味恐ろしい話。

 音的には特に書ける代物ではないです(笑)。でも、Velvet Undergroundってバンドの真髄を知るにはコイツだろうな、と。次の三枚目「The Velvet Underground」ではジョン・ケイルが脱退してしまったのでこんなに前衛的なサウンドではなく、もっともっと全うに評価されているのだが、このセカンドアルバムは強烈に一般的評価ができない代物なのだ。だからこそ面白い…、う~んVelvet Undergroundに毒されてる?な(笑)。

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フレ
Posted byフレ

Comments 9

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いたち野郎  

ベルベットではコレ一番好きですよ!おっしゃる通り、音は文章にできないくらいひどい代物ですが、そういうところもアングラのロックの象徴なんですかね… 歌モノのメロディなんてほとんどないのに、どこか叙情的な気もしたり…ホント謎盤です。

2007/07/03 (Tue) 03:49 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>いたち野郎さん

お~、コレ一番?ある意味わかる(笑)。やっぱメジャー扱いされるべきバンドじゃないのは確かですね。これも時代の成せる業?

2007/07/03 (Tue) 22:17 | EDIT | REPLY |   
波野井露楠  

こんばんは!
私も、2枚目大好きです!
混沌とした感じがまさに癖になります(^^;)。
TB、やっぱりダメだったのでURLを貼らせていただきました。
http://hanoi-stones-trex.at.webry.info/200703/article_7.html

2007/07/09 (Mon) 20:06 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>波野井露楠さん

TBなんでだろうねぇ…?不思議っす。

2007/07/09 (Mon) 22:30 | EDIT | REPLY |   
もりたん  

一般的にはウォーホールが手がけた1stのほうばかりが
なにかと注目されるヴェルヴェッツですが
ワタシ的にはこの2ndが大大大好きです。
タイトル曲のホワイトライト…は彼らにしてはまだポップな曲なので
一般的にも受け入れられるのでは?と思ってるんですが
いまだ広く受け入れられてない様子で…(^^ゞ
誰か新進気鋭の映画監督が60年代のアングラシーンを題材にした映画でも作って
そういう映画にこの曲が採用されない限り、一般層には広く受け入れられないのかな(汗)

2007/07/16 (Mon) 11:47 | EDIT | REPLY |   
まさし  
わーい

ノイズが初めてアートになった瞬間。たまらないです。

2014/06/25 (Wed) 22:01 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>まさしさん

上手い言い方ですね♪

2014/06/29 (Sun) 19:36 | EDIT | REPLY |   
Who?  

もう30年以上前ですかね。 レコード店で、DAVID BOWIEの曲だと思ってシングルレコードを購入したら「D.Bowieも歌っているんだあ」
とアルバイトの店員さんがいうので、カバー曲なんだとわかりました。
随分経ってからルーリードの曲だと知りました。
マークボランが亡くなってからも残された家族にこっそり援助したり、人種の壁のないいい人でした。
ご近所でそのせいか、今度はSTINGがロサンゼルスでbowie展で「★」等を歌ったりしていますね。

2017/02/06 (Mon) 10:24 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>Who?さん

Stingが★歌ってるんですか?へぇ…
情報ありがとうございます。

2017/02/12 (Sun) 20:57 | EDIT | REPLY |   

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