Kiss - Dressed To Kill (1975):
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キッスが売れる事を望み続けていた時代の産物「地獄への接吻」。デビューから1年強で三枚のアルバムをリリースしたキッスの三枚目は1975年リリース作品で、こういう時代にエンターティナー性の強いキッスが市民権を得て、更にアルバムリリース枚数も増えてくると一枚一枚のアルバムの重要性が薄れてくる。だから手軽な廉価版ベストCDを乱発するが、特にアメリカはそういう売り方が多く、またそれで需要も満たされてしまうからここでアルバム一枚づつ語ってもしょうがないし、エルビスやチャック・ベリーのアルバム全部聴かない事と同じ話になっている。
話を戻して「地獄への接吻」はまだキッスが売れる前だが「Rock'n Roll All Nite」が収録され、ヒットした頃の作品で、ファーストから一貫してポップさを持ったちょっとヘヴィーなバンド、でも全員歌えるし、見たらインパクト絶大のパフォーマンスとメイクの奇抜さで世に出てきたが、このアルバムでも変わらない。この後、キッスを有名にした「アライヴ!~地獄の狂獣」アルバムは初期三枚のアルバムの集大成だが、「地獄への接吻」からチョイスされていたのは4曲だからその4曲は馴染み深いが、このアルバムの冒頭楽曲群もキッスフレイヴァー満載のR&Rで、ちょっとキャッチーさが不足しているけど、歌詞もサビも分かりやすいので、ベスト盤やライブ盤ばかり聴くリスナーにもちょっとした深みを味わえる初期はオススメしたい。
今もキッスは活動しているが既に懐メロバンドで、新しい試みもあるけどこのアルバムから埋もれた曲を取り上げる事もないだろうが、新作が過去の作品ほど浸透する事もないから、忘れ去られていく楽曲になるけど、勿体ないからアルバム単位で聴いてほしい。ただ、彼等自身もそういう状況を認識してて、しっかり過去の再録作品「地獄烈伝~ニュー・レコーディング・ベスト~」もリリースしている。そういえば懐かしい話だけど、自分はアナログ時代にキッスに出逢ってて、当時手軽に聴けたレコードが初期三枚がセットになった「The Originals」で、中古で買って聴いてたが、思えばこれも商魂溢れるレコードのセットだった。

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