Frank Zappa - Just Another Band From L.A. (1972):

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 演劇でも英国やヨーロッパと米国では大きく異なり、歴史文化の違いがあるので明るく人を楽しませる点に特化した米国の演劇は大衆を相手にしたエンターティンメントとして洗練された。現在のアメリカンエンターティンメントの大作は誰が見ても面白いしスペクタルで極端な感動だが、喜劇ロックの世界はフランク・ザッパくらいしか米国人にはその精神を突き詰めた人はいない。

 そのフランク・ザッパが最高に楽しんで、キャラクターもコメディー精神たっぷりな頃は70~71年のフロー&エディ在籍時代で、ザッパは歌詞カード付きの国内盤で大半の作品を揃えているけど、歌詞カードや訳詞が付いていてもよく分からない世界なので、ザッパを制するためにはアメリカの文化を理解しないといけない。しかも表面的な文化だけでなく、アングラお下劣な世界の文化を知らないと歌詞の意味を捉えても深さが分からないし、訳詞は注釈付きで書いてあるけど、歌詞カード見て音とステージの様子を聴くと凄く和気藹々と楽し気にしているからウキウキしてくる。

 1971年夏のライブを記録したこの超おふざけステージの一部を切り出した「Just Another Band from L.A.」はその前の「フィルモア・ライヴ '71」と共にフロー&エディのコメディがたっぷりと聴ける傑作でLP時代はA面に「ビリー・ザ・マウンテン」だけでB面に4曲入ってて、その「ビリー・ザ・マウンテン」がハイライトで24分あるけど、決してプログレ大作ではないから勘違いしないように。ひたすらコメディに合わせた音楽と展開が続き、物語をステージで表現しながら演奏しているが、こういうアプローチは希少なので説明しても理解し難く、要するにステージで音楽を演奏しながらバンドメンバーで演劇喜劇を行いながら展開している楽しき演奏。





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フレ
Posted byフレ

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photofloyd(風呂井戸)  

フランク・ザッパ 私にとっては、最も難物というか・・・いまだに正体の解らないミュージシャン、とにかく奥深か過ぎる。
 知った当時、私にとってはロックはプレスリー、バンドはペレス・プラード、軽音楽は映画音楽とそのあたりは卒業し、その後ちょっと楽しんだセルジオ・メンデスとブラジル'66と・・・いやはやそうそうバーデン・パウエル。ハービー・マンも其のあとだったかなぁーーー?。
 そんな時にロックに目覚めさしてくれたのが、ビートルズはどうも・・という時、このアメリカ産ザッパとC.C.Rでしたが、結局のところC.C.Rへ傾き、そして英国ピンク・フロイド、キング・クリムゾンの出現ですべてはその流れに・・となって70年代に突入。ザッパはお別れしてしまった。しかし実はそれからウン十年、未だに気になってのザッパ、そして未だに解決できないザッパなんですね。恐るべし難物ザッパ様です。今挑戦できるエネルギーがない。

2022/04/24 (Sun) 15:32 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>photofloyd(風呂井戸) さん

これからザッパに取り付くのもなかなか大変そうなのでそのままかもしれないですね(笑)。聴きやすさはあるのでいつでも取り組めるとも思いますが…。
ビデオから入るのも一興かと思いますよ。「Does Humor...」なんて良いです♪

2022/04/25 (Mon) 23:01 | EDIT | REPLY |   

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