Tygers Of Pan Tang - Spellbound (1981):
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ギターヒーローが次々と出てきた時代、ギタリストがとにかく目立ってカッコ良くて花形だった時代は煌びやかで華があった。NWOBHMのシーンはクラブやライブハウスのアングラな所で繰り広げられ、ほとんど陽の当たらない世界ではあったけどそこから出てきたヒーローは眩しいほどに輝いていて、その中の一人がジョン・サイクスだった。シン・リジィの「Thunder and Lightning」に参加した最後のギタリストの側面が強いけどNWOBHMから見ればそれは過去との融合でしかなくて、あくまでもタイガース・オブ・パンタンのジョン・サイクスだ。
ジョン・サイクスが参加したタイガース・オブ・パンタンの三枚目の作品「Spellbound」は凄い名盤と語られるし、実際に凄く、今でも通じるレベルの高さと疾走感と泣きのギターで、結局こういうのがHR/HMの原点だし、70年代から続く英国ハードロックの歴史の生き証人かもしれない。日本でもシーンを形成していた1980年代前半のヘヴィメタムーブメントで聴かれたサウンドはほとんどタイガース・オブ・パンタンの「Spellbound」に近い世界で、真似ではなく同じようなバンドを聴いて影響を受けて自分達でプレイしたらほとんど同じような泣きのセンス、ハイトーンの歌い方、ギターヒーローになるべくギターを弾いたり、疾走感溢れるセンスになったと思うくらいに英国人と日本人のセンスが似ていた時代か。
「Spellbound」は、疾走感溢れる作品でジョン・サイクスも弾きまくっているし、何よりもギターサウンドが心地良いのとボーカルのジョン・デリルの歌声がハジけていて気持ち良いのが一番で、これだけ疾走しているアルバムもあまりないので、心地良さもある。キャッチーだけど全然キャッチーではなく疾走しているカッコ良さで、ちょっと軽く感じる部分はあるけど、それがないとここまで走れないし、聴いていて恥ずかしい部分はいくつかあるもののどのバンドも到達できなかったひとつの金字塔をブチ上げた作品である事は確かな驚くアルバムです。

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