Bon Jovi - Bon Jovi (1984):
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80年代のもうひとつのブームにLAメタルシーンの一般ポップスシーンへの浸透が挙げられ、ヒットチャートにHR/HMを送り込んだバンドはいくつもあったが、中でも最も成功した例がボン・ジョヴィだろう。アルバム単位ではデフ・レパードもかなりのセールスを博したが、総合的な売上げはボン・ジョヴィに敵わなかった。しかし彼等が最も面白かった時代はメガセールスアルバム「ワイルド・イン・ザ・ストリーツ」をリリースする前まで、彼等自身で曲を書いていたバンドらしい時期にも思える。
セカンドアルバム「7800° Fahrenheit」までの彼等は仲間内で曲を書き、名曲もいくつも発表していたが売れ線ではなく、「ファーストアルバム」収録のデビュー曲「Runaway」のキーボードで始まるイントロの鍵盤の使い方は当時のヴァン・ヘイレンの「Jump」と同じく印象的なイントロで、そこから紡ぎ出されるキメとギターのハーモニクスダウンの心地良さこそAOR HR/HMの原型でもある。曲の中枢を担うメロディラインの良さは後のボン・ジョヴィにも通じるが、マイナー調の美しさを持っていてアメリカらしからぬセンスと、また「She Don't Know Me」のキャッチーなメロディーも心に残る。
セカンドアルバムにも日本人の心をくすぐる「Tokyo Road」を収録していて、「サクラサクラ」のオルゴールから始まるメロディはボン・ジョヴィが最初にブレイクした日本へのお返しで、日本人の女性諸君は本当にルックスが良くてカッコ良いバンドを捕まえるのが上手い。このアルバムからの名曲は「Only Lonely」で、PVのドラマティックなジョン・ボン・ジョヴィの演技ぶりはハマってて、更に曲は演歌的だから日本人は好きだろう。彼等の人気を決定的にしたのはサードアルバム「ワイルド・イン・ザ・ストリーツ」の「Bad Name」や「Livin' On Player」で、それ以前に一生懸命メジャーを目指していた姿を記録した初期の作品は思い入れ深い。

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