Steve Stevens - Atomic Playboys (1989):
2 Comments

HR/HM界ではなく、個性的に弾きまくるギタリストと有名だったスティーヴ・スティーヴンスは一般的にビリー・アイドルの片腕で頭角を現し始めて、その後はマイケル・ジャクソンのアルバムで弾いたり、映画「トップガン」のサントラで弾いたり、マイケル・モンローとのエルサレム・スリム、その後裏切りのヴィンス・ニールとソロ活動、更にトニー・レヴィンやテリー・ボジオと組み色々なところで名前が出ている。そんな彼が1989年にリリースした最初のアルバム「Atomic Playboys」。
ビリー・アイドルのトコロから飛び出て、機は熟したと言わんばかりにシーンに好意的に受け入れられたアルバムで、「エイリアン」EL&Pの「恐怖の頭脳改革」、アイランドの「ピクチャーズ」のジャケットのH.R.ギーガーも話題になった。
そして音はバリバリのギタリストアルバムと思えばそうでもなく、バンド形式のレベルの高い作品が並んで、バンドの巧さも当然ながら相当にカッチリとしたアルバム。スティーヴ・スティーヴンスも主役ながら、ギタリストの奔放さよりバンドの一員でギターを弾いていて、最初のタイトル曲からかっ飛んでてカッコ良い。歌っているのはかなり個性が際立った上手い人でエモーショナル感もあって、4曲目のバラードで良く出ていて良い。この曲のスティーヴンスは自分のルーツ、フラメンコサウンドを出したポップなバラードを聴かせているし、3曲目のスウィートのカバー曲「Action」もポップさとアレンジのシャープさが疾走感あってカッコ良く出来てる。5曲目「Soul On Ice」もスピーディに疾走してるけどうるさくなく、またプログレ趣味も入っているから面白く、9曲目「Woman of 1000Years」は自身のボーカルを披露して、がなり立てる歌ではなく効果的に低い声で渋めに歌っている。聴き所の10曲目「Run Across Desert Sands」のインストナンバーでは隠しきれなかったフラメンコギターを演奏して、スティーヴ・スティーヴンスがミュージシャンに玄人ウケする側面の驚きの一幕だからこそ才能を認識する凄いフラメンコ。
ギタリストのアルバムで選んだけど実はひとつのバンド作品で成り立つアルバムで、今でも名盤と誉れ高く、この後の「Flamenco A Go-Go」も傑作。

- 関連記事
-
- Joe Satriani - Surfing with the Alien (1987):
- Steve Stevens - Atomic Playboys (1989):
- Alcatrazz - Disturbing The Peace (1985):