Soft Machine - Fifth

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 アヴァンギャルドサウンドから遡ってみるとカンタベリーにまで行き着く、そしてカンタベリーの中でもやはり最前衛的な音を出していたのはやっぱりソフト・マシーンだよな、と思い出すのだ。ソフト・マシーンの遍歴はアルバム毎に見事にサウンドもメンバーも替わっていくもので、そういう意味ではキング・クリムゾン的かもしれない(笑)。が、サウンド的には全く正反対とも言えるもので激情的なシーンが全くと云って良いほど聴かれないのがソフト・マシーンで逆に激情的なアンサンブルを重要視していったのがキング・クリムゾンとも言える、かな。

Fifth Live in France <Just Us

 その長いバンド歴史の中でも真ん中に位置する、「Fifth」だが、全作品中最もジャズに近づいた作品と云われる。しかししっかりと根はロックなのだなぁ、聴いているとね、そう思うワケよ。確かに面子的にもエルトン・ディーンのサックスを筆頭にマイク・ラトリッジのオルガン、ヒュー・ホッパーのベース、ドラムはフィル・ハワードとジョン・マーシャルによるものでフリージャズ的な要素が強い…と括って言ってしまっては元も子もないので、フィル・ハワードの叩いているA面はかなりフリージャズのエッセンスが強くて、こちらはエルトン・ディーンの真骨頂とも云える一曲目の「All White」がもの凄く心地良い。かと思うと続いての「Drop」ではやはり聴き慣れたマイク・ラトリッジのオルガンが心地良く鳴ってミニマル的な要素も強い従来型ソフト・マシーンと言った音だ。…と言うか次作あたりまで続くソフト・マシーン的な音、だな。こういうの好きだからソフト・マシーンってなんだかんだで良く聴くんだよね。ヒュー・ホッパーとマイク・ラトリッジはどちらかと言えば展開を決めたジャジーな音が好きらしく、一方のエルトン・ディーンはあくまでもフリーフォームなスタイルが好きなようで、そのせめぎ合いがこの時期のバンドのバランスを危うくしているという見方もあるし緊張感を煽っているってのもあるか。しかしこの後ベーシストとして参加することとなるロイ・バビントンがダブルベースでゲスト参加した「As If」はかなり激しいバトルの繰り広げられるインプロ中心の曲でベースが見事に歌っているし、サックスも素晴らしい…、そしてソフト・マシーンらしいマイク・ラトリッジのオルガンが美しく冷たく淡々と鳴っていていいなぁ~と思わせるよ、ホント。この時期のソフト・マシーンは結構好きだなぁ…。

 アルバム「Fifth」がレコーディングされたのが1971年から72年頃で1972年にはアルバムリリースされている。そして72年にフランスで行われたライブ「Live in France」が突如として1995年にリリースされて、驚きのあまり速攻で買ってしまったのだが…。これはドラムにジョン・マーシャルが参加しているヤツで、アルバムほどの鋭さはないけど「5」の曲中心でライブが丸ごと収められているのでマニア必聴のアイテムだね。ソフト・マシーンってのはホント時期時期で音が違うのでそれぞれのライブ音源ってのも聴けると面白いし、当時この頃のライブなんて他では聴けない代物だったからなぁ、刺激的だった。

 それとこの時期にエルトン・ディーンは自身のソロ作品「Just Us」もレコーディングしていてこちらもほぼ同じような面子で録音されているので兄弟作品として聴いておきたいね。こうなってくると全くジャズメンと同じようなセッションで誰がリーダーか、ってだけの違いになってくる(笑)。

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フレ
Posted byフレ

Comments 4

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波野井露楠  

最近、ソフト・マシーンの記事をたくさん目にします(^^)。
動画見ました!!
カッコいいですね!!
プログレって奥が深い!
「ジャズ・ロック~ボーカルのディレイ攻撃」ですもんね!!!
アルバム、買わなきゃ!!!!!

2007/06/25 (Mon) 19:51 | EDIT | REPLY |   
papini  

>激情的なシーンが全くと云って良いほど聴かれないのがソフト・マシーンで逆に激情的なアンサンブルを重要視していったのがキング・クリムゾンとも言える、かな。

あ、それ賛成。うん、すごくわかる。
でも、ソフツの音って飄々としてる中に熱いものがあって
アタシはそういうとこ、ってすごく好き。

・・・・

っていうかさ、ヒュー・ホッパーって
どこにでも顔出してる人よね(笑

2007/06/26 (Tue) 00:24 | EDIT | REPLY |   
ぷくちゃん  

このグループ、私は大好きで先日紙ジャケも購入しました。もやもやとした音がようやくはっきりと聞こえました。

でも・・・やはり人相が悪すぎる!「4」での4人は最悪です。(爆)だから売れなかったのかも。

2007/06/27 (Wed) 13:51 | EDIT | REPLY |   
フレ  
さんくすっ!

>波野井露楠さん
ソフツの記事見ます?嬉しいことですねぇ、でもあまりハマり込む人は多くないのかな…。クールでかっちょいいっす、この辺は。

>papini嬢
あ、共感?嬉しいね。ソフツって淡々とクールな中に熱いのあるもんねぇ。いいんだよ、そのクールさがさ。ヒュー君はほんとクレジットあちこちに残ってる(笑)。

>ぷくちゃん
あ、最近のはやっぱ音がはっきりしてるんだ?新鮮かも。人相ワルいってのは共感(笑)。ま、ロックだから悪くていいんじゃない?あのルックスだとまさかあんな繊細な音やってるとは思わないだろうなぁ。

2007/06/28 (Thu) 21:49 | EDIT | REPLY |   

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