Black Star Riders - All Hell Breaks Loose (2013):
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アイルランド産のロックは日本人には大変好ましいメロディを持っているのか、好きな人も多いし自分も好きだ。儚さや切迫感が英国とは違う旋律で、形容し難いが胸キュンする曲が多い。ただアイルランドのバンドは自国意識が強いからメジャーフィールドへ拡大意欲はあまり無いようで、いつしか地元に戻っている田舎臭さも島国的発想で共感する。シン・リジィを聴いて、フィル・リノット亡き後のメンバーを調べると、2013年になってまだ新しいバンドでアルバム出してた。
2013年でデビュー・アルバム、Black Star Ridersの「All Hell Breaks Loose」ですが、当初は再結成後の新生Thin Lizzyのオリジナルアルバムを作ろうとツアーをこなしていたメンバーと、ブライアン・ダウニーも名を連ねていたが脱退、スコット・ゴーハムだけがオリジナルメンバーで残された結果若い面々を連ねてレコーディングする事になった。それがBlack Star Riders。だから再結成後のThin Lizzyのツアーメンバーのアルバムと捉えても良さそう。また「All Hell Breaks Loose」を聴いた人のレビューを見ると質の高さとThin Lizzyらしさに驚いたとあるので、楽しみとばかりに手を出してみた。
聴いて驚いた。これは正にThin Lizzyの新作です。フィル・リノットはいないけど、新しいボーカルも味のある哀愁感を漂わせた声で、フィル・リノット的イメージを損なわない。この楽曲群のクォリティの高さもThin Lizzyと言わんばかりの曲で、全く息継く間もないくらいノスタルジック&フレッシュ感を味わせてくれる快作。Thin Lizzyの要はフィル・リノットと思っていたが、スコット・ゴーハムがこれほどThin Lizzyの音を出すとは意外だった。クレジット見ればスコット・ゴーハムの才能はあったけど、ああいう感じにバンドの音が出てきたのはフィル・リノットのセンスと思い込んでた。「All Hell Breaks Loose」のおかげでとんでもない勘違いに気づいた素晴らしいThin Lizzyの新作。
アルバム冒頭から感動の嵐で気が抜けないままずっと流れてくるし、これが最後まで続くから多分名盤の域に達している。単なる自分の好みだが、70年代フレイバーどころか本人出演だからそのままThin Lizzyの納得感溢れるアルバム。

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