Howlin' Wolf - Moarnin' In The Moonlight (1959):
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いわゆる戦前ブルースメンでは語られないハウリン・ウルフだが、実は結構古い人で生まれは1910年と言うから、同じミシシッピー州出身でロバジョンともセッションしたようだ。最初期は音源が残されていないので、ロバジョンやエルモア・ジェイムズはかなり特別視されていた人と分かる。
ハウリン・ウルフが表に出て来たのは1950年代過ぎてからで40歳過ぎてからのレコーディングだが、時代はエルヴィスを輩出したサン・レコードがビジネスを始めたばかりの頃。録音した音源を当時弱小だったチェスレコードに売っており、この頃のレコーディングデータを見ると録音はサンで行い、発売元はチェス。纏まった音源は1959年リリースの「Moarnin' In The Moonlight」と1962年リリースの「Howlin' Wolf」が有名。聴きやすくブルースらしいサウンドを出してて、クセやアクが強くない。ギターも既にエレキを採り入れているので音も丸みを帯びて洗練されている。歌も元々はもっとエグイ人だと想像は付くが、マイルドに歌心を出した感じ。そしてこれがシカゴブルースとして定着していく。
面白いのはこの辺の音を聴いていたストーンズやクラプトン、ペイジと云った連中が真似して採り入れたから、知った曲の名前が多数出てくる。中でも「Spoonful」「Going Down Slow」「Tell Me」「The Red Rooster」はロックファンなら知っての通り。これを聴いてアレが出来上がるのも聴いてて面白い。過去誰も追求していなかった、もしくは追求しても解釈が異なっていたのがレッド・ツェッペリンの「How Many More Times」のパクリ元は「How Many More Years」ではなく4曲目の「Baby How Long」だろう。こちらも歌詞の始まりは「How many more years...」で、曲のリフもZepに似ている。
ちなみにこの辺の作品は後のシカゴブルースを代表するジミー・ロジャースやウィリー・ディクソンも参加していて、ジャズメン達のセッションみたいに知られた人達が交流してレコーディングを行っている。

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