Janis Joplin - Pearl (1970):
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ジャニス・ジョプリン。彼女の存在が消えてからもうかなり経つ。そしてまだ彼女を超えるレベルの女性シンガーを聴いた事はないし、彼女と同列に並ぶ女性シンガーも耳にする事がない。それほどまでに希有な存在だったのか、時代の印象が彼女をより一層神格化しているのか、でも残された数々の音源や映像から飛び込んでくる彼女の歌いっぷりは現在までの所、圧倒的な存在感を放っている。ジャニス・ジョプリン。
1970年、ジミヘンが急逝した時、ジャニスはどう思ったのか、その一ヶ月後に彼女も同じような運命を辿る事となった。ちなみに前年1969年7月にはブライアン・ジョーンズが、翌年1971年の同じ日にジム・モリソンが急逝している。皆ドラッグから引き起こされた早すぎる死の結末。しかし彼等は圧倒的に輝き、今でもロック史の中では君臨して、別にドラッグを崇める必要もないがアーティストの素晴らしい功績には感謝したいし、もっと長く活動してくれれば、と残念な想いもある。一方ではそれがロックヒーローに見える面もあり、それもロックのひとつ。
ジャニスの中でよく聴いたアルバムは「Pearl」だった。アルバムは1971年リリースなので死後になるけど、このアルバムをリリースするつもりでレコーディングをしていたから、レコーディング秘話もかなりありそうなアルバム。昔、伝え聞いた所ではジャニスの歌を元にバックの演奏を入れ替えたらしい。この頃のアルバムでお目に掛かるプロデューサーのポール・ロスチャイルドの手腕も大きい要素。その最たるモノは、「Mercedes Benz」。アカペラだけでグッと迫ってくるジャニスの歌声をこれほどナマナマしく聴かせてくれる曲は他にはないし、こんなアカペラ状態で収録したポール・ロスチャイルドのセンスは凄い。今ならこの曲にバックの音を自分のパソコン上で創り上げてジャニスとセッションも作れて面白いか。どんなバックの演奏がついてもこの歌だけのテイクに敵わないけど。
各曲毎に云々を語る気にならない。全てがジャニスを語っていて一言、やはり凄い歌。何が一番凄いかと、魂揺れる事。聴いてると魂に彼女の声が差し込んできてついノスタルジックになって、ノリノリでカッコ良いロックがなくてハマり込むばかり。だから「ブルースの女王」と呼ばれる。でも、彼女はロックの世界に置いておきたい。最初の「Move Over」からぶっ飛ぶスタイルで、「Cry Baby」での絶叫、同じように「My Baby」もヤードバーズのカバーとは比較にならない絶叫ぶり。どれも名曲。曲云々ではなく彼女が歌えばどれも聴く価値がある。特にこのアルバムはジャニスの想いも強かったのか、人生色々ある、悩みながら作っていた表情が出ているので素晴らしい。
ベット・ミドラーが主演の映画「The Rose」はジャニスを題材にして、何となくそういう雰囲気だったと垣間見れるシーンも多い。タイトル曲「The Rose」が凄く良い曲なので参考には良い。ジャニスの映画「ジャニス」に勝るモノはないけど。

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