Jimi Hendrix - :Blues (1994)

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 1942年シアトルで生まれたロック界の超人と呼ばれた男、ジミ・ヘンドリックスは世代的なものや彼の生い立ちからすると当然ながら本場アメリカで好んでブルースメンとのセッションを望んで家を出た若者の一人だった。マディ・ウォーターズのセッションに応募したが断られ、ハウリン・ウルフとのジョイントではウルフから罵倒され、尽く自分が愛して止まないブルースの先輩達とのジョイントを打ち砕かれたジミヘン、20歳前後の頃からの苦労。

 ジミヘンがシーンに出てきたのは1966-67年頃の24-25歳頃で、下積みが7-8年はあった。その頃に多くのブルースメンと出会っており、アルバート・キングやB.B.キング、アルバ-ト・コリンズ、バディ・ガイや後に一緒にプレイするビリー・コックスも出会っている。当時の音楽シーンの黒人ギタリストが顔を出せるトコロは恐らくブルースかソウル、R&B関連しかなく、ジミの場合はブルースなので当然その先輩達のところでギターを弾いて羽ばたいていく考えになる。誰も黒人ロッカーで名を売ろうと思わない。純粋なブルースプレイヤー、もしくはディランにも影響を受けたプレーヤー程度だろう。だからジミが後に多種多様のブルースソングのカバーや改作バージョンをプレイする事も、彼のギターが素晴らしいブルースを奏でる事は至極当然の成り行きで、突然変異ではない。英国に渡りジャズドラマーとロック・ベーシストと一緒にバンドを組み、ブルースとディランと英国ロックを融合させたサウンドを生み出した事は彼の功績だが根本はブルースメンだ。

 単なるブルースメンのジミヘンを垣間見るに相応しいアルバムが「:Blues」。1994年にリリースされ、ジミヘンは知らない編集盤だが、事ある毎にスタジオでもライブでもブルースセッションを好んで録音していたジミのプレイを集めた作品。単なる編集盤ではなく作品に仕上げられている。カバーソングだけでなくジミの作ったブルースも一緒に収められ、それが完璧にジミヘンサウンドと出来上がっているので、彼が有名ブルースメンと肩を並べて語られても不思議なく聴ける。ここでは先に挙げたアルバート・キングの「悪い星の下に」やマディで有名な「Catfish Blues」「Manish Boy」、エルモア・ジェイムズの「Bleeding Heart」がオリジナルを超えてプレイされているけど、凄くアグレッシヴなギタープレイとつくづく感心。魂吸い取られて死んでもおかしくないくらい飛翔してる。あとは「Red House」が凄く好きで、イントロから痺れる。オープニングを飾る「Here My Train A Comin'」のアコギバージョンは初めて聴いた時から衝撃的。偉大なるブルースメンだ。



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