Stone The Crows - Stone The Crows (1970):

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 英国のブルースは実に多様な方向に進み、ストーンズもツェッペリンもブルースで、フリーもクリームもと言われるとそれぞれ違う感じで、マイナーな世界はマイナーな世界でそれなりに個性を出していた。中でも女性の歌声の超個性、ジャニス・ジョプリンが既に世界を制していたのでどうしたって比較されるけど、それでもかなり楽しめる素晴らしい歌声でブルースを奏でてくれたバンド。

 Stone the Crowsで、ボーカルはマギー・ベルです。滅茶苦茶メジャーではないが歌が良い。ソロアルバム「Suicide Sal」はジミー・ペイジがギターで参加している。Stone the CrowsのギタリストがLes Harveyで、Alex Harveyの弟が凄く良いギターを弾くので、ソロもアコギもバックプレイも凄くアクのある、そしてセンスの良い心に引っ掛かるギタープレイが聴ける。マギー・ベルの歌を邪魔する事なく、流れのギタリストらしい雰囲気も出してる良いギタリスト。そんなメンツの最初の作品が「Stone the Crows」の1970年の作品。

 冷静に聴くとブルースを元に歌い上げ、ブルースを元にギターを奏でているけど決してブルース一辺倒でもないし音でもない。凄く洗練されていて泥臭さがなく、泥い感じ。マギー・ベルの歌のパワーが凄いから、ジャニス的に聞こえて、ブルース的な感じになるけど、それだけじゃない。圧倒的な歌唱力を活かした音がたまたまこういう音で巧い。曲は歌ありきで作られているからメロウなブルース調が多く、ソウルフルな歌声を活かす曲ばかりで、ロック、ハードロックではないが、ロックを感じさせるブルースな世界。心地良い。ギターも絶妙だし。

 A面4曲でB面の「I Saw America」は20分近く使って色々な実験をしてる。そっちがこのバンドの本領でもあるか、時代かもしれない。基本的にA面の世界を以降も踏襲しているけど、ここでの20分弱は実験的で面白い。プログレではないけど、ロックが融合しようとしている世界を聴ける。オルガンも派手だしギターもパーカッションも歌も展開も間合いもそれぞれ楽しめる。読める展開も多いが。

 それにしてもStone the Crowsは無名ではもったいないレベルを持ったバンドで、ジャニスやブルースロック好きな人は蓋を開けても良いだろう。ソウルな歌が好きな人も大丈夫だと思う。





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フレ
Posted byフレ

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