Paul Kossoff - Blue Soul (1986):

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 1976年3月19日ロサンゼルスに向かう飛行機の中で小汚い若い英国人が死亡しているのを発見、となったのだろう。もちろんスタッフ等がいただろうからそのような事にはならなかったと思いたいが、現実的にはそんな話で別に美しくもない。しかもドラッグでボロボロになったカラダであれば尚更だ。それがポール・コゾフ最期。享年25歳。早くから成功を収めたフリーのギタリストで、唯一無二のギタースタイルを持ち、とてもピュアな人でもあったと聞く。

 キャリア的にはフリーに参加して活躍したのがまだ10代だったので、1973年のフリー解散後は自身の名義にて「Back Street Crawler」をリリース、つい先日デラックスエディション盤がリリースされて、セッションの内容がもっと明るみに出てきたのは非常に嬉しいが、ギタリストのジャム的な作品という感は否めなくて、特に名盤とされるようなものでもない。その後はバック・ストリート・クロウラーを組み、二枚のアルバムをリリース。それでオシマイ。だけど、実はこの人結構色々なミュージシャンとセッション活動を行っていて、アイランドレーベルという共通の枠もあったけど、ゲストで参加しているアルバムや曲が多くある。そんな活動を纏めたアルバムがポール・コゾフ名義で何タイトルかリリースされていて、有名だったのは「Blue Soul」だが、随分前から廃盤になっている。勿体ない。フリー時代の曲も最初に入ってるが、それはともかく当時は「Free Live」では聞けなかったライブ曲が入ってて、特に「Crossroad」はすごく興味を惹かれた。想像通りにクリームのやってるあの「Crossroad」をフリーがやってるバージョン。さすがにフリーのアレンジ、と唸らされるリズムで、そこにポール・コゾフの泣きが詰まったギターがキュインキュインと鳴りまくる逸品。冒頭のイントロからエグい速弾きのギターソロからだからもう堪らなく、しかもギターの音が実にマイルドで素晴らしい。この一曲だけでレコード探したし、CDになってからも速攻で買った思い入れの強い編集盤。フリーのアルバム以外でポール・コゾフを聴くならこれが最初に浮かぶ。フリーももちろんだけど、ギターを中心に聴きたい時はこっち。

 他には英国スワンプロックのアングラバンドのアンクル・ドッグに参加した時の「We Got Time」も凄く雰囲気良くハマってる。このバンドで歌ってるのがあのキャロル・グライムだからそりゃ凄くもなる。自分的にはカンタベリー云々のデリヴァリーのボーカリストとして知っていた人だけど、それが繋がってしまうのでまた今度にしておこう。

 それから同じレーベル仲間で割と良く一緒に活動していたトラフィックのジム・キャパルディの作品にも何度か参加していて、好みかどうかは別としてポール・コゾフらしいギターを聴けるのでこれも重要。あとはフランキー・ミラーとアンディ・フレイザーがやり始めたランブルタウン・バンドに参加した時の曲も入っていて珍しい。この編集盤には入ってないけど、他にもユーライア・ヒープのケン・ヘンズレーのソロや英国フォークのジョン・マーティン、アメイジング・ブロンデルにも参加してて、なかなか交流の広い人。またその人柄の良さからか声掛けは多かったらしい。





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