Martha Velez - Fiends & Angels (1969):

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 随分昔にその存在を知りながらもレコード探しをしていた頃には見かけることなく、一回見かけた時にはアメリカ盤ジャケットだったがために、別のアルバムと勘違いして買わなかった。それでも4000円くらいしたのかな。あとでアメリカ盤とイギリス盤で全然ジャケットが違うことが判明して割と悔しい思いをしながら、結局イギリス盤を見かけなかった。すっかり忘れ去っていたが、昨年CDがリリースされると云うのでちょっと話題になってたマーサ・ベレツ。手に入れて聴いて感動してたから、いずれ書こうとすっかり失念してました。なので、この機会に書いておきましょう。

 1969年リリースの「悪魔と天使」という意味での「Fiends & Angels」というタイトル。「友達と天使」ではないですが、割と間違えやすい。こうして見るとアメリカ盤の方がジャケットにインパクトがあるのは確かだ。彼女自身は英国人だが、ただ中身の声を聴いてしまうと、アメリカ盤のジャケットのインパクトの方が正解な感じはする。

 もう思い切り好みの音で、マイク・ヴァーノンのプロデュースなので思い切りブルースに決まってる。しかも彼女はジャニスが脱退した後のThe Holding Companyにボーカルで加入のウワサもあったくらいの迫力絶叫系ボーカルのお転婆お姉ちゃんだから、聴いていて吹っ切れてて心地良い。マギー・ベルほどの凄みはないけど、それでもかなり面白い域に達していて正に60年代後期の英国ハードロックだ。

 そのバックバンドもマイク・ヴァーノンの力による結集ものだが、なんと全盛期のクリームの面々からクラプトンとジャック・ブルースを呼び込み、この二人はジム・キャパルディのドラムと絡ませて思い切り激しく派手なブルースロックを何曲も展開してくれる。正直言ってマーサ・ベレズの歌声など全く耳に入らないくらいに二人の演奏に耳が行ってしまう。やっぱりこの頃は凄い。それとマイク・ヴァーノン絡みなのでフリーのポール・コソフも参加しているが、これもまたジム・キャパルディやクリスティン・マクヴィのピアノと絡めて元々スワンプ系への参加が多いポール・コソフのこれまた全盛期のアグレッシヴでタメが聴いたギターが聴ける代物。それと何曲かではスタン・ウェブのブルースギターも聴けるので、当時のブルースギタリストとしてロック界に名を馳せようとしていたメンツが揃っている。なんとも豪華なアルバムになった。

 あまりにもゲスト陣が豪華なので肝心のマーサ・ベレズについて語られる事が少ないけど、ミックスの問題も大きい。かなり好きなタイプのボーカルで、もっとこういう弾けた音を歌ってほしいし、どんどん作品をリリースしてほしかった。何枚か他にもリリースされてるけど、そこまで追いかけ切れていない、って事はそれほど入れ込んでないのか。

 いやいや少なくともこのアルバム「Fiends & Angels」については歌もかなり楽しめる作品です。ゲスト陣が凄すぎるけど…。





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フレ
Posted byフレ

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