This Heat - This Heat (1978):
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アヴァンギャルドサウンドはマニアックな世界でどんな評論を見てもカッコ良く「名盤」「世紀の傑作」と書かれていて購買意欲をそそる。しかも全然手に入らなかったから余計に聴いてみたくなる。無理して入手するけど結局アヴァンギャルドだから何回も聴けないし、正直それがカッコ良いかも分からない。だけど探して苦労して手に入れた想いが強いから「名盤」として持っている事に満足する。
This Heatもそんな類のひとつで、アルバム「This Heat」は割と早めに入手したものの音を聴いてピンと来てはいない。電子音のノイズから始まっていきなり二曲目、しかも攻撃的、呪術的なアクの強いサウンドで迫ってくるので初めて聴いた時は意味不明。プログレなどを聴いてカンタベリーサウンドに親しんで漁るとこのバンドの名前が出てくる。ケヴィン・エアーズとディス・ヒートが繋がってしまう英国ロックの恐ろしい構図。キーマンはドラムのチャールズ・ヘイワーズ。元Quiet Sun、即ちロキシー・ミュージックのフィル・マンザネラのセッションバンドだけど、本作に近い即興的ジャズ的アヴァンギャルド的要素を含んだアルバム「Quiet Sun」をリリースしている。このバンドには元マッチング・モウルのビル・マコーミックも参加しているので繋がる。
しかし本作は名作だったか。一握りの人間には相当な衝撃を与えたバンドで間違いない。「King CrimsonとSex Pistolsの間を埋めたバンド」と称される言い得て妙な部分もあって、ノイズ+混沌、そして攻撃性も悪くない。ただ、一般的な音楽とは大きく異なる衝撃。

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