Elton Dean - Just Us (1971):
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英国フリージャズの波は本場アメリカのジャズから遅れる事十数年、着実にその芽を伸ばしながらこの時期にロックの発展と共に進化した。もしかしたらもっと早い時期にあったのかもしれない。早くてキース・ティペット、またはグラハム・ボンドあたりだろうか。いずれも60年代中期頃にようやくその芽が出て来た。その頃はポップもジャズもロックも同じフィールドで自分の腕に自信のあるミュージシャンや、才能を信じていたアーティストがこぞってシーンに登場し、切磋琢磨していた。70年代に整理されるが、まだまだ狼煙を上げたばかりの世界、何もかもが白熱して熱気が音楽を作り上げていた時代。
ソフト・マシーン在籍中からソロアルバムをリリースしてきたElton Deanは元々キース・ティペットのグループにいたからか、ジャズメン的な感覚が強く、バンドもソロも何もとにかく演奏できる所があればそこで演奏するスタンスだった。ソフト・マシーンであれだけ白熱したインタープレイをしていのに、それでは飽き足らず、別のメンバーとセッション活動を頻繁に行ったから出来上がった作品がこの1971年にリリースとなった「Just Us」だ。この後ソフト・マシーンでも名前の出て来る面々と共に既にここでフリー・ジャズセッションを熱気ムンムンで行っている。あろう事か、ここにマイク・ラトリッジも参加しているから面白い。ソフト・マシーンではロバート・ワイアットのロックエッセンスが不満だったか、ここではドラムにフィル・ハワードを配してもっとフリージャズどっぷりの世界に行きまくっている。これも結局ソフツになるが。
アルバムの中身は全てインストものなのは当然ながら、ただのインストではなく、アグレッシブなインタープレイが中心。全くの即興あるくらいだが、案外スタンダードにジャズしてる曲もあるので、結構時間を掛けて熟成させたアルバムかもしれない。この人のサックスは好きだし、決して明るくなく、艶めかしくどん底に落ちるような悪魔的プレイも好みだ。それでいメンバーがぶつかり合えるから一体どういうセンスだか。ソフツよりもこっちのメンツの方がやりたかった面も分かる迫力のプレイ。この辺、バンド名や話題性には囚われずに全てのメンバーの作品を聴いておくべきと思う。無茶苦茶叩きのめされます。

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