Patto - Hold Your Fire (1971):
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英国ハードロックバンドと呼ぶべきかどうかも多々あって、それは皆ひとつのカテゴリーに収まりきらない多様なサウンドの塊のためだが、それこそが英国ロックの深みで時代の産物だった。
一見ハードロック的な仮面を被っているパトゥーだが、聴くと何とも言えない音で、このバンドの場合は音が云々よりもボーカルのマイク・パトゥーのダミ声による圧倒的な迫力とその隙を縫って恐ろしい超絶テクニックを披露してくれるオリー・ハルソールのギターに耳が向いてしまう。そのヘンが面白く、1970年発表のファーストから既にそんな感じになってて、翌年1971年発表のセカンド「Hold Your Fire」がこれまた良く、アルバム的なバランスが取れてる感じ。ハードロックテイストとブルーステイスト=パトゥーの歌声、更にオリーのジャジーなレス・ポール氏みたいなカントリータッチのフレージングが全編ではなく、曲はそんなに良いとは思わないが要所要所で弾かれている所がバランス良いと思う。しかしマイク・パトゥーの歌声は英国ロック界でもかなり個性的で、ロジャー・チャップマンやポール・ロジャース、ロッド・スチュワートが好きな人は結構イケるだろう。バンドの音は大してハードじゃないけど、この人の歌を聴くと凄くハードに聞こえるからハードロックバンド。
このアルバム、ジャケットがコミカルなデザインで変形ジャケで、デザインはロジャー・ディーン作だがかなり意外ながらもヴァーティゴからのリリースなのでマニア的にはこれも興味深いが、ご存じギターのオリー・ハルソールは後にアランホールズワースの抜けた穴を埋めるべくテンペストに加入してそのテクニックを思う存分に披露しているからメジャーになった感じが強い人で、セッション活動が盛んなのでアチコチに登場する。ケヴィン・エアーズはもう定番だし、アルバム自体は基本的に三枚リリースして解散、後にフロント二人はボクサーを結成して更にハードロックに特化したサウンドで勝負してくるけどやはりB級だった。

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