Philamore Lincoln - The North Wind Blew South (1970):
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昔は判明しなかった事実が時を経てネット時代になり、情報過多の時代になると様々な事柄が判明、もしくは交錯する事で思いもかけずに知る情報もある。今回は正にその通りで、全然知らなかったし調べた事もなかったが、フィラモア・リンカーンなるジャズ畑のドラマーがポップシーンにこの名義でシンガソングライターとしてアルバムをリリースしてきた不思議。そこに参加しているのがジミー・ペイジ参加時のヤードバーズの面々で、アルバムのエンジニアはアンディとグリン・ジョーンズ、裏ジャケ写真はクリス・ドレヤとクレジットされている。そこから先は噂と話題の範囲内だが、どうもそういう事らしい。少なくとも「You're The One」なる曲のギターソロがジミー・ペイジだと云う話は真面目にそうだろうし、普通にこのギター聴いてれば分かるように、唐突にエグりまくるサウンドと奇抜なフレージングで差し込んでくるプレイはジミー・ペイジならではで、音もあのテレキャスと勝手に想像出来てしまうくらいのほんの何秒かの音でしかないが、それで十分そういう噂になるのは分かる。
Philamore Lincolnの1970年リリース作品「The North Wind Blew South」に収録されているのでお試しあれ。もっとも今はアルバム全曲YouTubeでも聴けるので一曲の確認には皆そっちを聴くだけの便利すぎる時代。昔はそんな事すら分からなかったし、分かっても探すのも大変だったし、ましてやこんなの日本で見つけられたのだろうか。しかし、裏ジャケの写真がプラントに似てるし、表ジャケットの逆光写真の美しさは流石に英国1970年で、ヤードバーズやジミー・ペイジ参加云々を除くと、時代通りにフォーキーな世界をアコースティックで出している作品。果たしてどういう意図を持ってこういう作品を作ったのか不明だが、普通にサイケデリック風味なフォーク作品で、あまり面白いものでもないが、空気感はパッケージされている。
一方では幾つかの曲があまりにも60年代末期のビートロック的で見事にヤードバーズらしきサウンドが聴けるのも面白く、なるほどジミー・ペイジにクリス・ドレヤ、そしてドラムがこれはジム・マッカーティか、誰でも出来そうだがこの熱気はヤードバーズならでは、も納得できるし、今の時代になってもまだ事実判明してないのが心踊らせる知られざる一枚。

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