Robert Plant - Pictures At Eleven (1982):
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偉大なるバンドのボーカリスト達もそれぞれソロアルバムを出していると思い、あちこちを探し回って引っ張り出してくると、ブツはあるけど音が全然記憶にない。大体ボーカリストのソロアルバムは全く面白くないものと相場が決まってて、それはギタリストもそうだけど、バンドのマジックが働いていた中での偉大さだったのはもう絶対的に証明されていて、全く違う雰囲気とか違うジャンルへの挑戦しかないんだよ。たまにスーパーバンドが話題になるけど、なかなかそれも上手くいかず仕舞が定説。そんな中でもかなりメジャーな人です。
ロバート・プラントの1982年リリースの初ソロアルバム「Pictures at Eleven」。ツェッペリンの「コーダ(最終楽章)」のリリースを遅らせてでもこのアルバムは売りたかったと云う作品だが、そしてその数ヶ月前にはジミー・ペイジが「ロサンゼル」のサントラをリリースしていたので、正に解散後に違う形でやってきたツェッペリンフィーバーだった。しかし今の時代に燦然と歴史に輝いているのはもちろんツェッペリンの「コーダ(最終楽章)」で、いや、それこそがもうしょうがないけど事実。こだわるつもりもないけど音的にね。
巷で評判の良いファーストアルバム「Pictures at Eleven」。それは多分この後ソロツアーで日本に来たから余計に伝説化されていると思うが、冷静に聴いてみるとどこか中途半端。ドラムにフィル・コリンズと数曲でコージー・パウエルを配して意欲満々の作品。そして出てくる音もそれなりにツェッペリン的なサウンドの構築になっているから余計にタチ悪い。どうしたってツェッペリンと比べてしまうし、聴いていれば物足りなさを感じるので、ドラムのフィルインはこうくるのか、などのジレンマ。ギターもやはりそういう想像が働くので余計に聴けない。一生懸命それらしくやってるのか、どこに向かうべきなのかも模索してるし、かと云って全然違う方向は自分の求めているロックではないだろうし。結局一番ジレンマに陥ったのがプラントだろうと思う。この人がこの声で歌ったらそれはもうツェッペリンだから圧倒的な象徴だし。それがメロウでポップなものやってもね。キライじゃないけど、それならもっとハイレベルなアレンジで聴きたい。コージー参加の「Slow Dancer」は評価が高くて、確かにこのアルバムの中では際立ったサウンドで、テンションも高いし、ある意味独自性のある音でもある。後期ツェッペリン的なものではあるけど、よく出来てる。ただ物足りない。ボンゾなら、ペイジなら、ジョンジーのアレンジなら、と思わせてしまう曲だからこそ余計に。故に評判が高いのも分かるし、評価したくなるアルバムと取り組みなのは事実。でも、って言うのが入ってしまうので難しい。
ホントにこの人可哀相、と言うかツェッペリンでやってた事が一番やりたかったのにそこから外れなければいけないのか、そのおかげで迷走してしまう。1988年の「ナウ・アンド・ゼン」からのシングル「Tall Cool One」でツェッペリンをもじることでようやく融合点を見つけた感じで吹っ切れたみたいだけど、一番ファンが期待していた時期にはどうしようもなかった。だから90年代になってからは逆にツェッペリンの影に引きずられない独自の活動になったのかと。
音についてあまり書いてない?ボーナストラック入りもリリースされたし、聴いてみると良いでしょう。違和感が残るだけで圧倒的にツェッペリンの歌声だし。ちなみに自分はこれを聴いた後どうしても物足りなくてツェッペリンを聴きまくった。

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