Jimmy Page - Death Wish II (1982):
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Led Zeppelinの主役だったJimmy Pageによるソロアルバムで当時は相当話題になった作品。それが映画のサントラだろうが何だろうがファンはもう何かを期待しまくってたよ。だから何を言えどもその反発と批判がものすごくなってしまった感があるけど、今冷静に聴き直してみてね、どうかな、なんて。
1982年リリースの期待満点の中で市場に放り出されたJimmy Page名義でのソロアルバム「ロサンゼルス」。ホントはサントラなので、Jimmy Page名義でのソロアルバム、な言い方はちょっとお門違いなところもあるけど、その期待はしょうがない。本人は至って気楽に作ったような事を言っていたけど。レコーディングは1981年の夏ごろと言うから、Led Zeppelinの悲劇、ボンゾの悲劇からわずか半年強での仕事復帰です。ドラッグでボロボロだった感じだろうけど、よくもここまで仕上げたものだと言うのが正直なトコロ。映画のサントラはどうしても映画に合わせた雰囲気や音が必要だから、自分の閃いた才能で作ると言うのでなく、シーンに必要な曲を作る作業になるし、これはもう普段とはまるで異なる作業を辿る。そういうのを引き受けるのは自信がないと出来ないだろうし、だからこそ引き受けたのも分かる。後にJohn Paul Jonesも「Screaming For Help」という映画のサントラを引き受けてリリースしているけど、真のミュージシャンであるこの二人はそういう挑戦も面白そうと思ったんだろう。だからソロアルバムの音として云々はナンセンスで、映画に合った音を出せているか、映画を見て違和感のない、シーンに情緒を与えてくれる音楽になっているかどうかがこのサントラ盤「ロサンゼルス(サントラ)」の問われるトコロです。だから映画を見ないで「ロサンゼルス」のサントラだけを聴いてどう、との判断は少々難しい。
自分的には、チャールズ・ブロンソンは好きな俳優で、結構たくさんの出演作を見てて、中でもこのシリーズの最初の作品となった「狼よさらば」は結構好きだから二作目の「ロサンゼルス」は期待もしていた。しかも音楽はジミー・ペイジで、そりゃもう楽しみに観ましたが、一作目の「狼よさらば」の方が良かった気がする。
前置きが長くなってしまったけど、そういう角度の作品なので映画に必要な音が入っている作品です。そこにジミー・ペイジ色がどこまで出ているかはちょっと後回しで、ギターが入っているパートはやっぱりジミー・ペイジらしいリフが散りばめられています。そして音使いの豊富さは流石にスタジオ歴が長いだけあってよくムードを作り上げて、どういう言い方すれば良いか分からないけど、映像の邪魔にならない曲に出来てるし、クリス・ファーロウの歌はそれなりにインパクトもあるのでサントラ的には良い出来映え。面白いのはこの参加メンバーで、クリス・ファーロウは後のソロアルバム「アウトライダー」でメインボーカルを担っているし、鍵盤のゴードン・エドワーズはPretty Things出自で、もう一人のピアニストのデイヴ・ローソンはもちろんGreensladeのあの人と面白い英国の人脈。それと一番納得出来て面白くて深いのがドラムのデイヴ・マタックス、すなわちFairport Conventionのドラマーで、Led Zeppelinの最初期に出会ったらしく、もうボンゾと同じようなフィーリングで叩くドラマーで痛く気に入っていたようだ。自分もFairport Conventionを聴くようになってからはデイヴ・マタックスのドラムの凄さに結構惹かれてて、それはボンゾ的なトコロがあったからかもしれない。だからFairport Convensionも面白くなってきた。
そんな映画「ロサンゼルス」のサントラとして仕上げられているアルバムだけど、今では超レアアイテム扱いで、久々に聴いたけど、やっぱり通してアルバムだけを聴くのは辛い。数曲は「ハッ」とするけど、やはりサントラだから普通には聴けないし、何回も聴けない作品ながらインパクトはある。

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