Dr.John - Gumbo


ドクター・ジョンの1972年の傑作「ガンボ」。ニューオリンズサウンドというのかその辺のをゴッタ煮にして彼独特のしゃがれ声でスパイスをふるった作品。なんつうのかな、民族的なサウンドがベースにはなっているけどやはり現代風味がまぶしてあるおかげで聴きやすくなってる。でも音楽の方は全くこの人以外ではあまり耳にすることの多くない土着的サウンドで、今ならどこかの1000円CDとかでアメリカンカントリーとかケイジャンとかってので売ってるかもしれないけど、そんなに原始的なのじゃなくってね、やっぱ継承者の仕事でもあるわかりやすさをきちんと出しているってもんだ。ニューオリンズってジャズやソウルの街ってイメージなんだけど、確かに黒っぽい香りのするサウンドの骨子にドクター・ジョンならではの白人らしさがあって、だからこそ伝えやすくなっている。そういう意味ではホワイトブルースが出てきた時と同じく白人が黒人の音を出すことで白人に広げていく、みたいなもんだな。そのせいか以降民族音楽的な分野っていうのはあらゆるロックの世界で広がっていって、融合が始まるワケだからさ。そういう意味ではストーンズの「悪魔を哀れむ歌」ってのは早かったんだろうね。
明るく楽しい音、そしてジャケットからも想像できるように広大で壮大な音。ジャズともブルースとも言えないけど音からするに言いたいことは同じなんだなぁと痛感する。もっともかなり明るく仕上げているんだけどね。そんなサウンドも新たなる楽しみになると幅広がるねぇ…。ピアノってこんな風に弾けると楽しいだろうなぁ。
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