Ian Hunter - Ian Hunter (1975):
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圧倒的なカリスマと共に仕事をする事の多い、そしてそのカリスマに気に入られる程の美男子と云うのか好青年と云うのか、どうにも不思議な存在、そして大してギターの腕前も優れてないのに重宝がられるミック・ロンソン。稀代のスーパースター、デヴィッド・ボウイとの仕事でロック界の貴公子として持て囃され、その後も伝説的ですらあったモット・ザ・フープルにミック・ラルフスの後釜として加入。そして更にユニークな事に、そのモット・ザ・フープルの圧倒的カリスマだったイアン・ハンターがバンドから離脱する際に引き連れていったのもミック・ロンソンだった。この二人はミック・ロンソンが亡くなるまで続いていた友情で、かなりウマがあったようだ。
そんなイアン・ハンターが1975年にモット・ザ・フープルを脱退して最初に作ったアルバムがセルフタイトルの「Ian Hunter」。自分が探していたアナログ時代にはほとんど見かけた事がないアルバムで、こんなジャケットだったとしみじみCD時代になってから痛感する一枚でもあるけど、およそイアン・ハンターらしくないジャケ。でもモット・ザ・フープルの顔だったイアン・ハンターのファーストソロアルバムで、そもそもこういう音を続けたくてバンドを離脱したなら、この人のソロ作品が最もモット・ザ・フープルに近いサウンドになるのは当然と云えば当然。これこそモット・ザ・フープルの音楽性だろ、と突っ込みたくなるくらい。強いて云えばちょっと垢抜けたと言うかイアン・ハンターらしさが出ているか。冒頭の「恨みつらみのロックンロール」だっけ?凄い邦題だと思うけど、そんな感じだったと思う。以降彼の代表曲になったし。正にモット・ザ・フープル調の軽快なロックンロールで妙なテンションの高さも良い。誰にでもオススメするアルバムではないけど、こういうのにハマるとロックンロールの面白さが倍増する。
この人は多分凄く繊細で優しい人だろうと思うし、ロックンロールやってても軽さもあるし靭やか。この後の「You're Never Alone With a Schizophrenic」が一番有名だと思ってるけど、更にその優しさが出てて、モット・ザ・フープルはもっと攻撃的なバンドでは、と思い直すくらい秀作。この人の名義でDVD出てるなら簡単に見れるのか…。

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