Blue Cheer - Vincebus Eruptum (1968):
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ロックの世界は、聴いた時や見た時のインパクトがどれだけあるかが最初で、音楽性や理論、楽器はその後で、最初はインパクトやカッコ良さを嗅ぎつける本能的な所。ジャンル関係なくその本能に忠実な人はそれなりのセンスに向いていくから聞く音楽に関係なく、ロックに対する姿勢が似ている。そこで共通するバンドは出てくるし、グランド・ファンク・レイルロード聴いてて、普段聴かないが凄かったから、インパクト欲しくて見つけたブルーチアー。
そこまでメジャーでもないBlue Cheerはアメリカのガレージバンドで、随分昔に聴いたけど、その時にヘヴィでインパクトはあった。その時は「Summertime Blues」だから、The Whoバージョンもエディ・コクランバージョンも聴いてたけど、Blue Cheerバージョンのヘヴィさに驚き、時系列で言えば、The Whoのカバーより前だから、アレンジ能力の高さの違いで彼らの方がセンスが良かった。The WhoがBlue Cheerを聴いてたとは思えないからそれぞれ独自進化の到達点なら面白い。
アルバムは「Vincebus Eruptum」に収録されているが、当時は一曲だけ聴く事も出来なかったからアルバムで聴いてた。今は「Vincebus Eruptum」がすんなりと手に入れられるが、冒頭の「Summertime Bliues」でぶっ飛びます。そのぶっ飛び具合がアルバム最後まで持たないからアルバムは物足りない感もあるが、慣れてアルバムを聴くと、ブルースに根ざしたハードサウンドでガレージバンドでは収まらない音を出してると気付き、途中はThe Doorsと同じくブルースに根ざしていると分かるが、もっとバンドの音を出してアグレッシブに演奏している姿勢がガレージっぽい。
今でも結構名前が残ってて、60年代末の英国ロックシーンの空気感に近いけど、アメリカらしい面があって洗練されてる。グランド・ファンク・レイルロードの爆発ぶりのクレイジーさに比べたら冷静で知的なバンドの印象もカッコ良さを味わえる。

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