The Pentangle - Sweet Child (1968):
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トラッドフォークに手を染めたのは2つの理由からで、ひとつはジミー・ペイジのギタープレイを研究してすぐにバート・ヤンシュやジョン・レンボーンの名にぶつかるから。もうひとつは、英国ロック畑を漁るとそこかしこでトラッド的なフレーズや曲調、アコースティックギターのプレイなど日本やアメリカではまるで聴けないパターンのプレイが出てくるし、その他のバンドを聴いてもトラッドの旋律は出てくるから。正しくはトラッドフォークよりもエレクトリックトラッドの世界から入るので、本物のトラッドになるとそこまで聴いてはいない。
そんな中、代表的なバンドがペンタングル。1968年にリリースされた2枚目の作品「Sweet Child」は二枚組のアルバムで、1枚はライブ、1枚はスタジオ新作の変則的且つ革新的なアルバムだった。冒頭から期待して聴くと拍手から始まるのでライブと分かるけど、その完成度の高さと緊張感は音楽性云々以前に、ゾクゾクする瞬間が多い。やはり二人のギタリストの繊細な中の駆け引きと音色、旋律、音使い全てがそういう雰囲気だ。これはもうペンタングルの特性だし、二人が中心の曲は更に顕著になるから楽しめるが、こういう面白さは流して聴くだけだと分からないから、集中して聴ける時でないとダメだ。ジャッキー・マクシーの歌声も湿っぽくなくハスキーに響いてくるので、より一層の緊張感を味わせてくれる。
こういう音や曲はどうしたらバンドで演奏出来るのか不思議で、ジャズの流れが強い演奏方法だけど、綺麗にバンドの音が揃うし、当人たちの才能でしかない。まだ馴染む前の楽曲群でどこまでこなれたプレイが出来たのかとも思うけど、プロの音楽家なら当然か。こういう作品からギターを始めるとは凄く、ジミー・ペイジ然りだけど、その辺の造詣の深さはクラプトンやベック、ジミヘンにはないセンスがツェッペリンをあの存在のバンドにしたと思える納得感を味わえる素晴らしいアルバム。

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