Sandy Denny - Gold Dust: Live At The Royalty Theater 1977 (1998):
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名作ライブアルバムでもないけど、追悼の意を込めた記念碑的なライブアルバム。即ち故人が生前に行った最後のライブで貴重な価値があると判断された。サンディ・デニーの「Gold Dust: Live At The Royalty Theater」は正にその代表的なライブ盤だけど、本人が知らないトコロでのリリースなのでそれを良しとするしないの議論はあるにせよ、聴ける価値はありがたく甘んじよう。いつかリリースする意思もあって正式にレコーディングしていた音を隠し録りでもなくレーベルがリリースしてくれたし。
サンディ・デニーは1978年4月に事故で亡くなっているけど、それ以前のライブが1977年11月に行われた短いツアーで、子供を産んでからのライブだった。その子も今では良い歳になっている。時代の流れは早いものだ。そして時を止めているのがこういう音源。生まれた子供からしたらその頃のライブ、母親が何をしてたかを聴ける遺産。不思議な感覚に囚われるだろう。最後のツアーの最終日ロンドンのライブをレコーディングしてて、90年代になってから少しづつ小出しにされていたけど、1998年に大元のアイランドレーベルから創立40周年を記念して追悼盤「Gold Dust: Live At The Royalty Theater」がリリースされた。ほぼ完全な状態でライブ丸ごと出されたけど、さすがに補足しないといけない部分もあったようで、何人かのメンバーでオーバーダビングしている。
「Gold Dust: Live At The Royalty Theater」はサンディ・デニーのライブアルバムでも、そこまで聴き込んでないから、全盛期とは異なる歌声に感じてしまう。メンバーも慣れたものなのでそんなに差は出ないけど、ちょっと緊張感が違うだろう。一発目から流れてくるドラムの音の重さはデイブ・マタックスです。ご存知フェアポート・コンヴェンションのドラマーで名を馳せてて、ジミー・ペイジも組みたいと言ってた人だけあってボンゾ的なドラミングに近い。ベースもギターも重厚なエレクトリックトラッドの音で、歪んでないけど重くて貫禄のある音色で迫ってきます。ライブが中盤から後半に進むにつれて調子が上がっていく。サンディ・デニーも含めて一体化して、濃厚な空気感が満ちていく感じ。
こういう世界はロックだけ聴いていると入りにくいけど、音楽好きな人は感動できるだろう。世代と時代を超えて語り継がれる英国の歌姫サンディ・デニーだし、最後のライブ名義なら聴きやすいし、そんな機会からでも良いかと。フォーク畑出身でこういう歌声だ。しっとりとじっくりと聴くべき歌。フェアポート・コンヴェンションから聴いた方が良いけど、その後にサンディ・デニーのソロの世界は良い。まだ全然聴きこなせないけど、彼女の場合はソロ作もフェアポート・コンヴェンションもフォザリンゲイもディランもトラッドも構うこと無く歌う人なので、どこから聴いても良い。

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