Moody Blues - Every Good Boy Deserves Favour (1971):
0 Comments

コンセプトアルバムの勇者と言えばザ・フーの「Tommy」、フロイドの「The Wall」、また、キンクスの「Village Greeen Preservation Society」やプリティ・シングスの「S.F.Sorrow」とあるが、大体話しても話題に上がらずに終わってしまう偉大なる英国のコンセプトメーカーバンドが実はムーディー・ブルース。初期の頃は出すアルバム出すアルバム全てがコンセプトアルバムで、何を今更と。
そんな中でも最高傑作と言われてるアルバムが1971年にリリースされた6枚目のアルバム「童夢」。どれもが水準の高いプログレッシヴなサウンドを奏でているので、その中でも最も取っ付きやすいアルバムが「童夢」と言うだけかもしれない。ジャケットの神秘さ、原題タイトルは「Every Good Boy Deserves Favour」と頭文字を取ると「E G B D F」のコード進行となるからコンセプトアルバムです。そもそも超有名な「サテンの夜」が入っているファーストアルバム「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」も一日の模様を朝から夜まで物語るコンセプトアルバムだが、一般的に認知されにくく、あまり話題に上らないグループ。
演奏や曲の構想構成、展開はプログレッシヴバンド以上だけど、基本的に牧歌的でメロディもフワフワした感じで切羽詰まる感覚やスリリングさは一切なし。更に演奏力が優れているでもなく、専属のボーカリストもいないのでみんなで歌う曲が多くてアイコンもギターヒーローもしスタープレイヤーも不在だから聴く側もどこか意識が分散されていた。
「童夢」は捨て曲はなく、どれもが牧歌的で美しいコーラスとメロトロンに包まれた作品で、統一感が凄いので聴きやすいし、これでプログレバンドとは言われない。ムードメーカー的な曲がやたらと曲を盛り上げてくれる荘厳な世界で、冒頭「Desolation」や「Confusion」のけたたましい轟きが好きで、B面一曲目に曲として出てくるあたりが面白く、初っ端の印象が強いからB面最初でもしっかり残ったまま聴ける。ホント、基本的にアコギでメロディアスに作ったと思う素晴らしさに壮大なアレンジを被せている傑作がこの「童夢」。

- 関連記事
-
- John Lodge & Justin Hayward - Blue Jays (1975):
- Moody Blues - Every Good Boy Deserves Favour (1971):
- The Moody Blues - Present