Atomic Rooster - Death Walks Behind You (1970):

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 EL&Pのドラマーとして有名になったカール・パーマーの来歴も割と有名だけど、そもそもアーサー・ブラウンのトコロから離脱してかの有名なアトミック・ルースターをヴィンセント・クラインと結成してファーストアルバムを制作。このファースト・アルバムはその後も名盤として語られる作品で、それ故にEL&Pの看板が付くと皆納得する。ファーストアルバム「アトミック・ルースター」は割と聴かれているが、実は相当奥が深いバンドで、順を追っていかないと分からなくなる。メンバーの出入りが激しく且つ再結成もあるから深い。ジンジャー・ベイカーやデヴィッド・ギルモアも絡むし、英国B級路線のバンドのメンバーはそこかしこに絡んでくる。

 そのアトミック・ルースターのセカンドアルバム「Death Walks Behind You」です。1970年リリースの作品だけど、既に最初のアルバム「アトミック・ルースター」からはヴィンセント・クレインしか残っていないし、しかもギターが中心となったハードロック路線に変わっている。ギタリストのジョン・カンが参加して、もともとはヴィンセント・クレインのハモンドの強化で加入したらしいが、マルチプレイヤーのニック・グラハムが抜けてしまった関係でトリオ編成のハードロックの方に進んだ。ヴィンセント・クレインが鍵盤=ベースも兼ねて、その分歌とギターを任せてしまって、ギター中心のハードロックとなった。もちろんハモンドも鳴らしまくっているので重厚な音を出すバンドになったが、今度は悪魔チックな「Death Walks Behind You」で変貌をアピールしている。ドラムのポール・ハモンドは後にハード・スタッフに流れるけど、重いドラミングでこの頃のアトミック・ルースターのサウンドからもう一皮剥けたら面白い音になったかもしれない。そうじゃないところが楽しいが。

 楽曲は鍵盤奏者がメインなだけあって、長い曲が多いし歌を聴かせる曲はほぼない。また、演奏だけでひたすら攻める曲が多いから、長く感じる曲が多い。もうちょっとキャッチーに作れば良いのにただひたすら演奏で攻め込んでくる。もっともキャッチーにしているつもりはあるだろうけど、歌も含めて一体となって攻め込まれている感じ。正にB級的に近い肌触りだが、多数の亜流バンドを派生させているからアトミック・ルースターはB級ではない。

 ただ、ジョン・カンのフレーズはかなりB級センスで否めない。ヴィンセント・クレインのメジャーなセンスからしたら面白いと思ったけど、今となってはちょっとね。自分はこういうセンスが凄く好き。ポール・ハモンドもヴィンセント・クレインもセンス良いけど、バンドのフロントを担っていたのがジョン・カンだからこういうサウンド…。



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Posted byフレ

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